アラシサン弐

ラストナイト・イン・ソーホーのアラシサン弐のネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

個人的にサイコ物とキラキラポップな物が組み合わさると物凄いシナジーがあると思っているんだけど、この映画はまさにそうで、映像を退廃的にし過ぎずに、でもゾワゾワ感がずっと残してくる映画だった。

現実と夢を行き来する映像は素直に圧巻されて終始引き込まれた。
内容に関しては結構皮肉じみたものを感じたというか、
サイコスリラーにMeToo以降の価値観を内包している訳だけど、そこにアニャ・テイラー=ジョイっていう作品のアイコンとして十分すぎるくらいに魅惑的な女優さんを配置することで、セックスシンボル的な目的で観に来た観客に対して、ある種カウンターを食らわしてる感があった。

辛い現実からの逃避が幻覚。
だから、過去の男達の亡霊も、レコードが燃えていくのも、古い価値観からの解放のメタファーだと分かるけど、この映画が「幻覚」で、「サンディとエリーどっち派〜?ww」みたいな見方の評価がされる観客側が「現実」という皮肉は考えすぎかな?
60s文化大好きだけど‥っていう監督の自己批判としての側面もありそう。
深い。

エドガー・ライト監督は、ほんっとうに音楽が好きなんだな。ミュージカル以外でサントラ聴きながら帰りたくなる系の映画。
アラシサン弐

アラシサン弐