ケンジ

ラストナイト・イン・ソーホーのケンジのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

都会のポップカルチャーに憧れるも、その闇に触れ、呑み込まれていく少女の姿を、いろんなジャンルを混ぜながら展開されていく奇妙な一作。

下宿先のルームメイトと馬が合わなかったり、冴えない男が手を差し伸べてくれたりとベタベタな設定を使ってて大丈夫かなぁと心配にもなったが、60年代のロンドンに夢でトリップしてからは先の読めない展開に。

終わってみれば、スリラーとしてもそこまで怖いわけでもないし、ミステリーの要素も多少勘が良ければ読めてしまうし、主人公の成長物語として見てもその契機がちょっと物足りない。

何より「60年代ロンドンのポップカルチャーの闇」を描きながら、事を働いた男達の亡霊が被害者として助けを求めるような描写はいかがなものか。主人公は耳を貸さなかったわけだけど、ストーリーの捻りのためとはいえあまり印象は良くないしスカッとしたラストにはならなかったのが惜しい。
ケンジ

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