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ラストナイト・イン・ソーホーのいのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

過去作を知らない人たちがこの作品単体で観たら疑問符がついてしまう構成になっている気はする。総合的にはかなり良かった。

ジョンを配置する都合の良さを指摘するレビューを見かけるのであえて擁護すると、信頼に値する男性の裏切りを描写してしまうと、「男性とはそういう生き物である」というラベリングに終始しかねない(cf. 『プロミシング・ヤングウーマン』)。ジョンの人物造形の浅さについては自分も違和感を覚えたけれど、一方でそこを克服しても今度はテーマが混雑して不透明になる可能性もあるのかな、と思った。

なんというか、エドガー・ライトってこれまで100点エンタメ映画を作ってきたから、この作品で自分の武器を使ってちゃんと新しい領域に踏み込んだんだと思う。

だから欠陥はいくつかあるんだけど、今後より社会派要素の濃い作品を手掛けていくための布石として捉えるなら、そのチャレンジ精神にありがとう、という感じ。
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