夢見た世界と現実は一致しない。
ファッションデザイナーを目指すエロイーズは憧れの地・ロンドンにある専門学校に入学し、一人暮らしを始める。すると、夢の中で彼女は60年代のロンドンにいた。そこで出会ったサンディと意識がシンクロしていく中、サンディの精神が崩れ始めると同時に、エロイーズは幻覚に襲われ、精神が崩壊し始める。
思っていた以上にサスペンス要素が強い本作。その中でもホラー要素をしっかり含め、音楽と映像の巧みな表現方法はさすがエドガー・ライトと言わざるを得ない。
本作が扱ったテーマは非常に扱いづらく、表立って話されることがないもの。ただ、今のような時代だからこそ、解決策を見出す必要がある。昔から見て見ぬふりをされてきたからこそ、サンディのような犠牲者が生まれてしまう。この負のループを打ち壊す社会と聞こえない声を拾い上げることができる仕組みを作り出すことが望まれる。
この難題をテーマに添え、しっかりとエンタメ作品に仕上げられたエドガー・ライト節全開の作品。
