RIO

ラストナイト・イン・ソーホーのRIOのレビュー・感想・評価

4.4
映画、音楽、ファッション、すべてのカルチャーを愛する天才監督エドガー・ライトの待望の新作。

控えめに言って最高だった😭

ベイビードライバーでは、
アクションと音楽をシンクロさせ、
今作では、夢と恐怖をシンクロさせた、
シンクロシリーズ第二弾。

60年代ロンドンの光と闇、過去と現在、理想と現実が、悪夢とともに入り乱れ、
狂気の世界へと呑み込まれていく。

タイムリープサイコホラーと謳われているけれど、厳密に言えばホラーというよりスリラー。

ジャンプスケア多めだから、ホラー映画だと思って観たらホラー通は多分ガッカリすると思う。

ただ、今作では、女性視点から男性の有害な恐怖を描いたヒトコワスリラーが本質にあるため、あの程度のホラー演出でも十分に恐怖を感じれた印象。

そして、何よりこの作品、撮影が凄まじい。
映像表現に驚かされるのは彼の作品の恒例だけど、今作は特に異臭を放ってた。

“鏡"を通して、観客の視点をサンディ、エロイーズの視点に重ねることで、男性に観られるという性差の恐怖を体感させるフレーミングや、

夢と現実の狭間の混在するあの浮遊感のある感覚と、夢に知らぬ間に落ちるあの曖昧な瞬間を体感させる、臨場感溢れるカメラワークなど、

エロイーズとともに未知の夢の世界へと沼のように沈み込ませる狂気的な映像表現には、流石としか言いようがない。

遊び心溢れる映像表現のもとに、常に斬新なアイデアと心躍る楽しさを提供してきたエドガー・ライトの集大成であり、
また新たな新境地へと辿り着いた挑戦的な作品でもある。

傑作アクションラブロマンスだったベイビー・ドライバーとはまったく違う色を持つ、オシャレかつスタイリッシュな映像表現に、ただただ酔いしれる1時間56分。

古き良き時代の皮肉と愛に満ち溢れた、最高のサイコ・スリラーでした😁
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