マタロー

ラストナイト・イン・ソーホーのマタローのレビュー・感想・評価

3.8
エドガー・ライト監督作品。一応ホラーなのかな?

60年代に憧れるファッションデザイナー志望の主人公が夢の中で60年代に生きたサンディに憑依してタイムスリップする。
サンディとして体験する世界は夢見たものと思いきや、サンディの夢を喰う男たちの世界だった。
モチーフとして60sという時代が選ばれてるが、サンディに起こったことはその時代に限った話じゃないなと。
のっぺらぼうとして描かれる搾取側の男性達だが実際に顔が描かれるシーンでこそ彼らの醜さがよくわかる演出は見事。

ただ個人的にはホラーやサスペンス的なシーンよりも、序盤のデザイナー学校やその寮での疎外感の方が見てていい意味で嫌な気分になれた。これは自分が男性だからというのもありそう。
映画の感触としてはアリ・アスター作品を見た時に近いものを感じた。アリ・アスター作品もホラーよりも噛み合わない人間関係の描写の方が怖いので。

トーマシン・マッケンジーとアニャ・テイラー=ジョイのタッグは最高だった。

60年代の音楽においてオルガンが重要だということに今さらながら気付いたのも収穫。
マタロー

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