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ラストナイト・イン・ソーホーのmoreのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

ここ最近で一番の映画だった。まさかこんな、なんでもない日に出会えるなんて。

以前から気になってたのと、アニャの話題をあまりにも見かけるからスリラーって事以外何も知らないまま見たけど、凄かった。
ストーリー構成も結末もシンプルなんだよ。だけど、その中に60年代ロンドンへのトキメキ。煌びやかな場所への憧れ。夢への切符。搾取された事への紅蓮の怨憎。イジワルな女子の湿度。花弁の様に流れるシフォンのピンクドレス。ラストに向けてダークになっていくエリーのアイメイク。いつまでも回るレコード。没入感を高めてくれるサウンド。

演出も凄かったな。そもそも映画内でガッツリ編集する(これなんて言うの?)のってアラが出やすいし、下手すれば逆に安っぽく見えるのに、無我で付き纏うゴースト達、サンディの蠱惑さを演出する万華鏡の様な編集にずっと見入っちゃった。

鏡の使い方って割と無限大なんだけどさ、単純に殴って割る。現実の崩壊として割れていく。階段が割れる。鏡の向こうでサンディと共に階段を降りるエリー。これこそ映像作品の魅力よね。
他にも部屋の色彩演出を外から入り込むネオンで表現したり、何よりあのダンスシーン!あんなのワクワクしない人いないわ。
鋏を握りしめて瞳孔が開いた目で怯えるエリーも印象的だったな。

ところでロンドンの街の悪人の名前がジャックなのは意図してるの?

最後にサンディがキスするところで、完全に骨抜きにされちゃった。
最強にキュートで、最高にゾッとする殺人鬼にめろめろ。

ラストシーン。あっ!って声を上げてしまうぐらいおばあちゃんの恐ろしさに圧倒されたのに、切ない形で終わってしまったのがとても心に残る。
あの亡霊共に「助けて」「あの女を殺して」って言われてもサンディを殺さなかった、エリーが大好き。だって先にサンディを殺したのはそっちじゃない。
サンディの苦しみを一番近くで見て一番知ってたエリーが、殺さないって選択肢を取るラストがとても良かった。

それはそれとしてポスターダサいね
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