よふかし

ラストナイト・イン・ソーホーのよふかしのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

華やかな60年代のファッションや音楽を纏ったエンタメホラーかと思いきやシリアスに社会派なメッセージも含んだ一本。
エリーが初日に見るロンドンはまさに現代の我々が夢想する豪華絢爛で人々が生き生きと輝く街。セリフや所作のひとつひとつが洗練され思わずエリーも真似したくなるような魅力を宿していたが、現実はそれだけでは終わらない。60年代は今よりもずっとずっと女性達が虐げられていた時代であったと、序盤を観て浮かれていた我々の心に突きつけられる。

しかし現代においても、エリーがタクシー運転手に揶揄われるシーンなど要所要所で「女性を軽んじる風潮はなお根強く残っている」とこの映画は伝えている。

それでもエリーのような夢を叶える女性や、女性が自分の思い通りにならなくてもひたむきに接し寄り添うジョンのような男性が、いつか犠牲となった人々が微笑んでくれるような社会を創ることができるかもしれないという希望をラストの鏡のシーンで感じた。

霊達の攻撃がしつこい&物理的過ぎるところがちょっとしらけたので星-1。
後半のブラックなアイシャドウのエリーがティムバートン的でお気に入り。
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