ルサチマ

4のルサチマのレビュー・感想・評価

4(2005年製作の映画)
3.8
大学サークル時代の習作ながら、劇映画として俳優の動きを意識的に作り上げる野心が垣間見れる。とくに方言を含む多言語を用いつつ人物の出入りを段取ることで室内空間の断絶を中々高度に演出しており、映画学校の短編課題でこれくらいのものが撮れてれば、確かに光るものはあると期待させる。
面白いのは、この段階でカット割やカメラワークというような映画的なフォルムではなく、あくまで俳優をちゃんと追いかけようとしてる印象があったことで、それ故に画面設計で驚かせることはほとんどないが、人物の配置に対する意識を強く感じる(ラストカットの電車で窓を見る彼女と、別方向を見る彼氏など)。
人物の配置や出入りによって、ホテルで過ごす4人の若者のたった一夜の話であるにもかかわらず、時間の省略がなかなか大胆に披露されていたのも面白く見た。
ルサチマ

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