矢吹健を称える会

アーミー・オブ・ザ・デッドの矢吹健を称える会のレビュー・感想・評価

1.4
 愚かな映画だ。ザック・スナイダーという人は馬鹿じゃなかろうか。ドラマ四流、アクション三流、はまだしも、撮影がひどい。

 撮影がほんとにひどい(2回言いたかった)。異様に被写界深度が浅く、画面がピンボケまみれなのである。しかもレンズにフレアやゴースト、血のりなどが頻繁に映りこむので、とことん画面が見にくい。ちなみに撮影監督はなんとザック・スナイダー本人。ということは、このひどいショットの数々は――つまりザック・スナイダーは、「お前らは“ここ”だけ見てりゃいいんだよ」と、勝手に画面上の取捨選択を行っているのである。まあそれもひとつのスタンスだとは思うが、だったらせめてちゃんとしたものを提示してほしい。
 きわめつけはゾンビの「女王」の首を切断した直後のショットで、男がその首を見せびらかすように画面手前に突き出すのだが、その首がピンボケしている。これにはさすがに、何考えてんだと思ってしまった。

 中盤以降の物語の停滞ぶりは目も当てられない。無意味なスローモーションの多発にも呆れるし、台詞もひどい。時たま妙にシリアスぶるのも腹立たしい。ゾンビに知性がある設定も全く活かされていない。そして無駄に長い。個人的には、本年度ワーストですかね……。