歩くひんやりマットさんの映画レビュー・感想・評価

歩くひんやりマット

歩くひんやりマット

からっ風野郎(1960年製作の映画)

3.5

 10年ぶりに観賞したが、三島由紀夫の役が最低すぎてびっくり。若尾文子を中絶させようとしていろいろ頑張るくだりなんか本当に酷い(薬を飲むのを眺めるニヤけ顔……)。でも、そういう矮小さ、卑小さを狙って演>>続きを読む

女は二度生まれる(1961年製作の映画)

4.4

 再見だが、こんなに素晴らしい作品だったとは……(初見時には気づかないか見過ごしていた)様々なディティールが、一見とりとめもないような描写のなかで響きあい、いつのまにかすごく重層的な作品世界が構築され>>続きを読む

花実のない森(1965年製作の映画)

2.7

 90分未満でこれだけ展開盛りだくさんで、面白くても良さそうなのに、演出がとっても不細工。園井啓介と若尾文子が出会うシーンでの間抜けなモノローグが辛い。役者・美術・照明の力がすさまじいので、画面はたい>>続きを読む

サタデー・ナイト・フィーバー(1977年製作の映画)

2.6

 いやあ、ディスコでゴーゴー!みたいな、ノーテンキな話かと思いきや、意外にスィ~リアスで驚きました。人の未熟さについての、「若者」についての、物語だったんだね。愚かとは思うが、誠意は否定しがたい。>>続きを読む

ますらを(1934年製作の映画)

3.6

 本作、「戦争映画」史上でもカルト中のカルトというべきだろう。(なぜかこのページには記載されていないが)原題は『No Greater Glory』で、DVDも出ているので、見るのはそんなに難しくない。>>続きを読む

るろうに剣心 最終章 The Beginning(2021年製作の映画)

2.5

 長い・緩い・鈍いの三拍子揃ったご立派な大作映画。男女が、生活を共にするなかで心の距離をちぢめてゆく……そんな日常描写がかなり深刻に退屈である。そもそもこの二人、(そういう設定とはいえ)あまりにも感情>>続きを読む

キャラクター(2021年製作の映画)

3.2

 なんか、奇を衒った作品を予想していたら、意外に真面目な内容で面食らってしまった。説明台詞の多さなどは気になるけれど、力作と思う。こういうオリジナル企画をもっと作ってほしい。

 小栗旬が良い。いや、
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ガンポイント(1965年製作の映画)

2.4

 これもいかにも低予算な西部劇で、当時のオーディ・マーフィのキャリアの(あるいは西部劇というジャンル自体の)低迷をうかがわせる。ちなみに本作の2年前には『荒野の用心棒』が撮られている。

 中盤以降は
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テキサスから来た男(1950年製作の映画)

3.2

 オーディ・マーフィがはじめて西部劇に主演した作品らしい。若きオーディはすらっとしており、黒を基調とした衣装が決まっている。のちの作品でもほぼ同じスタイリングで出演していたはずだ。
 オーディ演じる牧
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テキサス群盗団(1966年製作の映画)

2.2

 積極的に悪口を言いたいような映画ではないのだが「ここは良い」というような箇所がほとんどない。そして演出がめっちゃ緩い。これなら30分は削ってほしい。唯一、バーでの大暴れはオーディ・マーフィが強くて良>>続きを読む

許されざる者(1959年製作の映画)

2.5

 オーディ・マーフィ目当てに観賞したのだが、途中までどのキャラクターが彼だか気づかなかった。不覚である。
 彼に限らず役者は概ね駄目で、バート・ランカスターも、こんなに魅力的じゃない作品は稀ではないか
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アーミー・オブ・ザ・デッド(2021年製作の映画)

1.4

 愚かな映画だ。ザック・スナイダーという人は馬鹿じゃなかろうか。ドラマ四流、アクション三流、はまだしも、撮影がひどい。

 撮影がほんとにひどい(2回言いたかった)。異様に被写界深度が浅く、画面がピン
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いつも明日はある/明日は必ず来る(1955年製作の映画)

3.9

 いわゆる「中年の危機」をフレッド・マクマレイが自覚していく、その描き方が実に繊細で辛い。落着したかに見えて実はいささかも事態は改善されていないという嫌なエンディングもダグラス・サークっぽい。雨のシー>>続きを読む

ワイルド・シティ(2015年製作の映画)

2.6

 序盤の描写で出来のほどは窺い知れるが、その後もかなり散漫なストーリーテリングが続く。終盤のほうになってくるともう誰が誰をどういう理由で追っているのかチンプンカンプン。
 個人的にすごくびっくりしたの
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昆虫大戦争(1968年製作の映画)

1.9

 大愚作……というか珍作。チンプンカンプンな展開が続く。雑に作っていてすごい。全編だいぶ酷いが、ラスト数分の展開は打ち切り漫画みたいな暴投で嫌いじゃない。

 チコ・ローランドが出てきてちょっと嬉しい
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メイキング・オブ・モータウン(2019年製作の映画)

3.9

 Marvin Gaye『What's Going On』にケチつけてたとか、いろいろ聞くうえで勝手に(自分のなかでの)評価が下がっていたBerry Gordyが、アメリカン・ポップス史上最大の偉人だ>>続きを読む

タイトル、拒絶(2019年製作の映画)

2.9

 最初のモノローグで「もうダメだ……」という暗い気持ちになったが、いや、なかなかどうして役者が敢闘していて、悪くない映画だと思った。ラストで絶叫演技になるのは白けるものの。
 田中俊介の優しさをさりげ
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ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢(2020年製作の映画)

3.7

 音楽がテーマの映画としては『アリー/スター誕生』以来の出来と思う。とにかくダコタ・ジョンソンの造形(マネージャーだけど実は重度の音楽オタク)が魅力的。その音楽に対する愛情が、表情からひしひしと伝わっ>>続きを読む

不夜城の男(2020年製作の映画)

3.0

 ストーリーテリングが主人公の性格と合致している。雑で、行き当たりばったりで、力任せで、出たとこ勝負で、でも憎めない。
 パク・ヘスは良い役者ですね。私の中では何年か前のイ・ソンミンとかパク・ソンウン
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るろうに剣心 最終章 The Final(2021年製作の映画)

2.4

 無内容な大人数戦、原作では中ボスなキャラの雑魚化、エトセトラエトセトラ。「相変わらず」としかいいようのない出来だと思う。それに加えて、今回東京をボカスカ爆破する展開があって、これにはちょっと(あまり>>続きを読む

ヒットマン エージェント:ジュン(2020年製作の映画)

2.8

 クォン・サンウの身のこなしや前半のダメダメ描写が悪くないだけに、中盤以降の混乱と停滞が痛い。チョン・ジュノが馬鹿みたいなキャラになってしまうのも悲しい。ファンウ・スルヘの活躍には一瞬心躍った。あれで>>続きを読む

るろうに剣心 伝説の最期編(2014年製作の映画)

2.0

 物凄く珍奇な物語になっていて困惑。戦艦沈めなかったせいだと思う(ラスト、軍の砲撃で壊すというのも……それできるならそんなに脅威でもなかったのでは……)。そんで「サムライたちに敬礼!」だって。明治期に>>続きを読む

るろうに剣心 京都大火編(2014年製作の映画)

2.9

 佐藤健を筆頭にみなさんしっかりアクションしていて素晴らしいなあ。土屋太鳳は「動ける」人とは聞いていたが、いやばっちり。しかし何といってもMVPは田中泯。こういう言い方は失礼にあたるかもしれないが、こ>>続きを読む

るろうに剣心(2012年製作の映画)

2.7

 原作の主要人物が多数出てくるのだが、しかし原作と同じウェイトでは描きようがないので、半端な状態になっている。原作を知るものにとってはキャラクターの扱いが残念だし、原作を知らないものにとっては、面白み>>続きを読む

ザ・ハント(2020年製作の映画)

3.7

 Sturgill Simpsonが出ていると観賞後に知り、「えっどこで!」と調べたら、ガスで殺されたあいつだった。

 さて本作、世評の通りにたいへん面白い映画と思うが、中盤以降の停滞は個人的にいか
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ビート -心を解き放て-(2019年製作の映画)

2.4

 「type beat」が蔓延る現代に、ビートメイクにおいて例外的な才能を描けるのだろうか……という興味から観賞。感想としては、うーん、って感じ。あんまり、感心しませんでした。これなら、YouTube>>続きを読む

征服者(1955年製作の映画)

1.4

 気軽な気持ちで見たのだが、こんな劇物とは……ジョン・ウェインが主演した作品中でもワーストの部類だろう。明らかにお金はかかっているのに、何一つうまくいってなくてすごい。逸話もやばい(原爆試験場の近隣で>>続きを読む

妻二人(1967年製作の映画)

4.0

 増村に外れなし(まあ、あるけど)。岡田茉莉子・若尾文子の美しさは完璧だし、高橋幸治(身のこなしが抜群)の異様な無感情演技もラストまで徹底的で本当に良い。また高橋に対置される伊藤孝雄の酷い行動がいちい>>続きを読む

GOEMON(2008年製作の映画)

2.2

 クオリティが高いとは言いがたいCGと実写映像が混ざる様に、キッチュな趣がある。さすがに信長の写真燃やすシーンくらい実写にせえよとは思うが。でもアクションシーンの設計は(一部)見ごたえがあって、船上の>>続きを読む

ロングショット(2017年製作の映画)

3.4

 出来事が10年以上前ということもあって、出演者全員「いや~あんときゃ大変だったね」みたいな軽いノリなのがすごく良い。公判中の涙の痛ましさから、偶然撮影してたドラマの内容のしょうもなさまで、まるっと含>>続きを読む

アメリカン・マーダー: 一家殺害事件の実録(2020年製作の映画)

3.4

 序盤で、なるほど、と感心した。こういうドキュメンタリーが作れるのか、と。事件の凄惨さ以上に、作品の構成に驚かされた。
 ただ、捜査の経過の途中にSNSに上げられた動画を挟み込む(時系列を行ったり来た
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なぜ殺したの?(2021年製作の映画)

2.3

 語り口が混乱していてよろしくない。インタビューももっと削れるだろう。しかしラストで逮捕されるアイツは結局何をしたわけ。
 被害者の母親が暴走し出すあたりは面白い。

SHINOBI(2005年製作の映画)

1.6

 山田風太郎ファンとして――それこそ、原作の漫画化作品であるせがわまさき『バジリスク』で山風作品と出会ったものとして――いつか見ようとは思っていた作品。前評判どおりの底抜け映画で感心した。原作から登場>>続きを読む

ザ・スイッチ(2020年製作の映画)

3.2

 おでこが髪で隠れたキャスリン・ニュートンが、無声映画のスタアを思わせる可憐さで、陰ひなたに咲く花といった趣がある。ここの暗さ(文字通り顔に光が全然当たらない)があるからこそ、入れ替わり後の展開を期待>>続きを読む

騙し絵の牙(2021年製作の映画)

3.2

 本作の予告を見すぎて大泉洋のことをだいぶ嫌いになっていたのだが、本編を見たら、やっぱりこの人いいなと。まあ、アテガキに近かったらしいから当たり前といえば当たり前なんだけども、本作の主役にふさわしい押>>続きを読む

砕け散るところを見せてあげる(2021年製作の映画)

2.7

 珍作だと思う。オープニングの「ヒーローが云々」いうモノローグの時点で、めちゃめちゃ歪なものを見せられているという気持ちになるし、中川大志がトイレに閉じこめられた石井杏奈を助けるシーンの演出とか、なん>>続きを読む

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