お値下げ希望おじさんさんの映画レビュー・感想・評価

お値下げ希望おじさん

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トリツカレ男(2025年製作の映画)

3.2

 70年代リミテッド・アニメーション感とサイケデリックな色彩がキッチュで楽しい。あらためてシンエイ動画は意欲的なアニメ・スタジオだと思う。
 しかし、ひとつ問題をクリアしたら次の問題へ、という段取りの
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ミーツ・ザ・ワールド(2025年製作の映画)

3.7

 すっごく面白かった。ホストのコールをこんな風に描くとは。ゴミまみれの歌舞伎町が――性欲も搾取性も感じられない、捨象された、漂白された、欺瞞的な描き方かもしれないけれど――ちゃんと尊い場所に見えてくる>>続きを読む

盤上の向日葵(2025年製作の映画)

2.3

 後半がひどい。原作通りならしょうがない(原作が悪い)が、渡辺謙の顛末には呆れてしまった。佐々木蔵之介の演技はなんなんだあれは。
 ラストも全く良くない。何も締まってない。

 そもそも前半、いや冒頭
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愚か者の身分(2025年製作の映画)

3.2

 『辰巳』などと通じるノワーリッシュな感触がたいへん好ましいのだが、生々しいチンケ犯罪モノとしてのディティールは早々に後景化し、よくある金の奪い合いに移行する。その渦中で主要キャラクターについて、感傷>>続きを読む

爆弾(2025年製作の映画)

3.0

 ミステリー(動機など含めた「謎解き」)としては、途中から「なんだそりゃ」な展開になり、私はかなりがっかりしてしまったが、サスペンスとしては中盤まで面白く見た。特に、渡部篤郎の巧さに感心した。「九つの>>続きを読む

風のマジム(2025年製作の映画)

3.5

 より多く手を動かし足を動かす人間が、より多く恵まれるという内容になっており、映画として望むべき在り方だなと思った。高畑淳子や滝藤賢一が頼もしい演技をしている。

よみがえる声(2025年製作の映画)

3.7

 開幕すぐ出てくる、親子の会話シーンの時点で、今年のベスト・ヒロイン(?)賞が朴壽南に決まった。佇まい・語り口から滲み出る、タフな知性に強烈に惹きつけられる。声に迫力がある。
 彼女が数十年間撮りため
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フランケンシュタイン(2025年製作の映画)

3.3

 序盤から美術が良くてさすがデル・トロ師だなあと思ったのだが、怪物(ジェイコブ・エロルディ)制作過程のぐちょぐちょ感がたまらない。絶対現場は死ぬほど臭い。制作室に巨大な穴が開いているのも面白い。
 怪
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レオ:ブラッディ・スウィート(2023年製作の映画)

2.8

 あらすじから『ヒストリー・オブ・バイオレンス』みたいな話かしらと思って見てみたら、あちらでいうダイナー襲撃シーンまで1時間くらいかかる。しかも主人公が自らの暴力の結果に呻吟したり、相手の報復にビビっ>>続きを読む

Mr.ノーバディ2(2025年製作の映画)

3.0

 最初にゲーセンで暴れるシーンが、観客視点では勿論、ボブ・オデンカークの家族目線でもいかがなものかと思う規模のやりすぎ暴行事件なので、おいおいと思っていたら、主人公本人が「あらためてわかりました、俺っ>>続きを読む

秒速5センチメートル(2025年製作の映画)

2.7

 『秒速5センチメートル』の実写リメイクをすると聞いたとき、おそらく誰もが、「まさよしはどうすんだろ」と思ったはずである。つまり、"One more time, one more chance"をベタ>>続きを読む

さよならはスローボールで(2024年製作の映画)

3.2

 アンチドラマ。ラストの花火の映し方まで徹底している。まじでグダグダですさまじい。初心者にはおすすめできない。
 ぼくも途中からわりかし帰りたかったです、が、これが人生なのかもしれない。

ホウセンカ(2025年製作の映画)

2.4

 ホウセンカ=ピエール瀧が、獄中の男に質問していくかたちで、なにゆえ男が収監されるに至ったかが紐解かれていく。つまりほぼ全編回想形式になるのだが、しょっちゅうこのホウセンカからのツッコミというか茶々が>>続きを読む

ブラックドッグ(2024年製作の映画)

3.8

 予告編の時点でわかっちゃいたが、いやー、すごいロングショットの連打。これは映画館で見ないと魅力が減じると思った。画面がガチガチに極まっていて、しかもその構図の前景と後景で同時に異なるアクションが起こ>>続きを読む

嬉々な生活(2024年製作の映画)

2.8

 貧困残酷物語。父親が生活保護受給を拒絶する描写に『護られなかった者たちへ』を思い出す。画質が安定しないあたりは低予算っぽいなあと思うが、でも志の高い作品なのは疑いようがない。
 ただ、西口千百合のや
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LOVE(2024年製作の映画)

2.6

 何度もフェリーに乗ってるはずなのに、動きが全く画面に顕れてなくてなんかすごい。運動感皆無。
 ダイアローグには、身につまされるところもなくはないのだが……。

プロセキューター(2024年製作の映画)

3.4

 いきなりゲーセンのシューティング・ゲームみたいな画面になって笑ってしまったが、防護盾内側からの視点って初めて見た気がする。ここ含め、奏功しているかどうかはさておき、アイデア満載のアクション映画だ。ド>>続きを読む

ふつうの子ども(2025年製作の映画)

3.8

 近頃スクリーンで瀧内公美を見かけるたび(わたし何と今年だけで彼女の出演作を5本も見ているんです)に「ずるいわー」と思うのだが、今回もめちゃずるかった。こんな役面白いに決まってるだろ、ちょっとしか出て>>続きを読む

トロン:レガシー(2010年製作の映画)

2.2

 予習のために見たのだが、最新作見なくていいやと思う程度には空疎な内容で、しらけてしまった。
 全く飲み込めないうえに面白くない話を台詞で無理やり進めてくる。主人公がオリヴィア・ワイルドに「ここから出
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トロン(1982年製作の映画)

2.6

 このCGに、当時の観客がいかに驚いたか想像できないわけではないが、まー今見ると粗のほうに目が行ってしまう(人物の輪郭がガビガビだったり)。が、コスチュームと円盤は古代のヨーロッパっぽく、加えて役者の>>続きを読む

ワン・バトル・アフター・アナザー(2025年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

 レオナルド・ディカプリオのファンとしては堪らん映画だ。こんなにも右往左往させられて、結局何も(本当に、なんにも)できてないのが面白すぎる。でもその無力さがこのキャラクターの魅力というか、優しさだと思>>続きを読む

東京の女(1933年製作の映画)

3.5

 冒頭のクレジットに「岡田嘉子」と出てきて、おお、と思った。ちょうど高峰秀子『私の渡世日記』を読んでいたところだったので、幼児のデコちゃんに演技をダメ出しされた女優はこの人か、と。

 40分という短
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高原の駅よさようなら(1951年製作の映画)

3.7

 画面にかかる靄が美しい。特に水島道太郎が病院の裏でハーモニカを吹いていると香川京子が現れるシーン、たまらない。
 にわか雨から逃れるため岩陰に隠れたふたりがうっかり接吻するシーンで、香川京子の顔にか
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the place named(2012年製作の映画)

-

 電車のスローモーション以外は全くぴんとこず










 と言えば嘘になります。しかしなににピンときたかをここではわたくし書けません。なんて罪作りな映画なんだ。

妖刀物語 花の吉原百人斬り(1960年製作の映画)

3.8

 シネマヴェーラ渋谷にて鑑賞。なにもかもスペクタキュラーで、特にクレーンの撮影が決まりまくる。当時の東映スタジオの力を実感するし、水谷八重子の爬虫類系の容姿が活きていて素晴らしい。三島雅夫と沢村貞子と>>続きを読む

残菊物語(1939年製作の映画)

4.5

 十数年ぶりに見た。正直、最後の舟のシーン以外あまり覚えておらず、とはいえ名作だよなーとめちゃ漠然と思っていたが、いやいや……唖然とした。とんでもない映画だ。本当に全カット驚きがあるんじゃないかしら。>>続きを読む

宝島(2025年製作の映画)

1.7

 作り手たちにとって渾身の一作なのが伝わってくるし、情熱も野心も画面によく顕れていると感じる、のに、何なんだこの虚無は。広瀬すずは自分がなぜ泣いているのか、泣かされているのか本当に理解していたのだろう>>続きを読む

匿名メッセージは誰なのか: 高校ネットいじめスキャンダル(2025年製作の映画)

2.7

 狂人を撮っている。まさか本当の犯人(実物)も普通に出てくるとは思わなかった。劇映画っぽい演出も施されていても、言ってる内容は全く理解できないのだが、とにかく本人なのだ。
 なんか共感できる感じ出そう
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ヒックとドラゴン(2025年製作の映画)

3.0

 冒頭の襲撃シーンの時点でもう個人的にはダメだったのだが……とはいえトゥースちゃんが可愛いので許せる。しかし結局のところ、「実写化」といっても本質的にはほぼ3Dアニメ映画というか、画面に映る(風景以外>>続きを読む

新幹線大爆破(2025年製作の映画)

-

 ことさら際立った存在感を持つわけでもないある人物が、序盤からやたら画面に映されるのだが、台詞も行動もほとんど描かれないので、えっまさか……と思ってたら後半で「犯人デス!」みたいな感じでいきなりフォー>>続きを読む

私たちが光と想うすべて(2024年製作の映画)

3.1

 この監督、ムンバイ出身、または在住ではなかろうかと思いながら見ていた(見終わって調べたらムンバイ出身だった)。というのも、前半「ムンバイ篇」と後半では、演出のトーンが変わってしまったように感じたため>>続きを読む

くまをまつ(2024年製作の映画)

2.5

 見始めた当初は平野鈴の佇まいとか、悪くないんじゃないかと思っていたのだが、脚本読むシーンあたりから「あっ苦手かも」となってしまった。そもそも、脚本読むだけというのが……『親密さ』とか『王国(あるいは>>続きを読む

プリンス・オブ・ブロードウェイ(2008年製作の映画)

3.3

 監督自身が手持ちカメラで撮影しているが、『テイクアウト』ほど感銘は受けなかった。一方で、アフリカ系移民の主人公が、けっこう簡単に落涙したり、恋人に「寂しい」と心情を吐露したりするのが面白いと思った。>>続きを読む

スターレット/チワワは見ていた ポルノ女優と未亡人の秘密(2012年製作の映画)

3.9

 フィクションに登場する、心優しい娼婦のことをhooker with the heart of goldと呼ぶけれど、本作の主人公の場合、hair of goldと言い換えたくなる。夕陽と、それを受け>>続きを読む

テイクアウト(2004年製作の映画)

3.6

 手持ちでぐいぐい顔面に迫る、カサヴェテスみたいな画面に面食らったが、いやー面白い! 映画のほとんどが配達してるだけなのに面白い。いわゆる「一日映画」(一日の出来事を描いた映画)としてもかなり好きな部>>続きを読む

純烈ドキュメンタリー 死ぬまで推すのか(2025年製作の映画)

1.7

 リーダーの酒井という人がいうには、夢の中に前川清が出てきて、「ムード歌謡をやりなさい」と告げられたという。あまりにも「宗教」なエピソードに面食らってしまった。

 私は紅白でこの純烈というグループを
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