このレビューはネタバレを含みます
従軍慰安婦問題に関する右と左の言い分をドキュメンタリーとして綴っている。
良くここまでインタビューを取れたなぁと監督を尊敬する。多分日本人では撮影出来なかっただろう。
どちらかと言えば左側よりになるように見えた映画かもしれない。だけど両論併記といったような主観なき客観は有り得ないのでどちらかに寄るのは仕方ない。落とし所が難しかった映画だと思う。
極力感情論を排除したかったのだろう。本来ならばあるべき従軍慰安婦本人の証言は最小になっている。
右も左も歴史的に従軍慰安婦という制度があったのは認めている。そこに①どれくらいの人数が関わっていたのか②自由度があったのか③謝罪はあったのか④軍が関わっていたのかが論点、争点となる。
大規模な国際問題の話だが何せ70年前の話だ。議論している人達は当事者でなく立場によってポジショントークするのも当然と言えば当然。歴史修正主義もポジショントークをし続けると陥る罠のように思える。恐らく本人達は悪気はないのだろう。監督によるとインタビューの承諾を得られたのは右の方が簡単だったそうだ。
人権問題というものを論じるときの難しさを感じた。自分の中ではまだモヤっている部分はあるのでまた追記したいと思う。