ぼっちザうぉっちゃー

最強殺し屋伝説国岡 完全版のぼっちザうぉっちゃーのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

京都を拠点に活動する腕利きの殺し屋である国岡に密着したモキュメンタリー。
ずっと一回り画面が小さかったのが気になったけれど、一応全編がなんらかのPOVショットで構成されているらしい様子。途中でアシスタントの後輩がいたことに気付き謎の2カメが腑に落ちたり。

やはり今作でも、タンスの裏にAK置いていたり、殺し屋社会にもあるめんどくさい先輩上司と若者の仕事に対する姿勢の違いなど、日常からのアイデアが楽しくもありつつ、より日常に肉薄した形式で撮られているがために、出てくる敵役たちのいかにもな風体とかキャラがすごい浮いているような可笑しさも感じた。

アクションに関しては、しっかりとアクションパフォーマンスとしての味を感じられるもので、仕上がった大作にみる実際の打ち合いに見えるような緊迫感というより、比較的攻守のはっきりした映える組み手のような見応えを感じた。

そして今作においても『ベイビーわるきゅーれ』同様、主人公の社会不適合な部分のメンタリティーがドラマパートの要になっている。そういった
身持ちや普遍的な人生の悩みの吐露などを経ることで、最後に手掛けたただの(ほぼ私怨に近い)殺しの部分が自らの過去との絶縁やリセット、そして再起のような趣を得て、超非日常を捉えながらもドキュメンタリーとしてはありそうな芯を食ったような出来上がりになっているのが面白い。

初日の出を眺めながら、もう一度語っちゃう感じなんかはもうまんま「プロフェッショナル」。地味に伏線貼られてた裁判にもしっかり勝っていくエンディングもいい。