ジーハ

ミッドサマーのジーハのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
3.8
新型ウィルス騒動のさなか、、
劇場は7〜8割埋まってました。

で、これ…昼間に、しかも小劇場じゃなく大劇場で普通に上映してほんとOKなやつ?

わぁ…エライもん観てもた。。


全編不快感が続く心地の悪さ。
またその不安定さががいいんだけど…笑
個人的にはヨルゴス・ランティモス監督の「籠の中の乙女」を観たときの、あの何とも言えない感じを思い出した。

私たちが当たり前とするモラルを振り切った世界観。同監督の「ヘレディタリー/継承」はまだ未観だけど、フライングでこちらを先に鑑賞。


北欧の白く輝く夏至の季節。
90年に一度9日間のみ開催される集落での祝祭。
そよ風にゆれる木々、草原に咲き乱れる花、少女たちの優しい歌声、、まるで天国のような空間。

その神々しい美しさに騙される。

天国と地獄。
善良と凶悪。
神聖さと邪悪さ…。

この真逆の化学反応でもって表現される
独特な映像とストーリーにゾッとし驚かされた。

序盤から、主役のダニーの家族のショッキングな事件から始まる…。結局はこの悲劇から恐ろしい伏線がひかれていたという…。


舞台はスウェーデン。
昔々は…フリーセックスの国。
近年では空前の北欧ブームでライフスタイルやインテリアが洗練されたお国のイメージ。

で、今回…これでいいの?!
変なイメージ…つきません?(笑)

映像もさることながら、やはり脚本が素晴らしくヤバいと思う。カルト=集団ヒステリーなんて、耳にはしたことはあるけど、こんな感じなのかな…。
不安定な人の心の隙間に入り込み、気持ちの共有・共鳴から始まる連動、連鎖、そして洗脳。

深みにはまり堕ちていく…
観ていてそれが理解できる気がした。

まともな世界(私たちが知る範囲の)であれば…
強い気持ちで言いたい「信じる」という行為。
信じる者は救われる。
信じることは素晴らしい。

でもここでは我々こっち側の人間は、
あれを絶対に肯定できない。
でもあちら側の「彼ら」は1ミリの疑いを待つことなく魂のまま…あれを行動しているという恐ろしさ。

あっちとかこっちとか、、あれとか…
もう〜すみません!!(-_-;)
ネタバレになるから何も言えない…(笑)

あの女王を選抜する謎のダンスバトル?

今なら言える…
だ、だ、誰か彼女を止めてあげて!
いったい何のために踊ってるのか?!
言ってあげてよ。。
彼女、ダニーがあれに参加しなければ、
この結末はなかったのに…?
いや、デキレース!…やっぱり偶然?
もっと他にも巻き戻って確認したいことあるんだよなぁ、伏線確認とか…すっきりしたい。
あぁ…再鑑賞希望(笑)

もう後半の女王誕生〜彼、クリスチャンの「交わりの儀式」前後からは怖さやエグさを通り越し、一周して 笑いに変わってくる不思議なあの感覚…
でしょ?ちがう??みなさんどうでした?!

この作品をめちゃくちゃ誉めたいけど、
自分の今の語彙力ではそれに値する適切な言葉が見つからない…
でも、最高に楽しめた派だとは思う★
スゴいな…アリ・アスター。。

ということで、、、
この勢いのままHDに放置したままのWOWOW録画「ヘレディタリー/継承」に続く…。
ジーハ

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