美しい自然と笑顔溢れる人々、煌びやかで光一杯の映像からなる不穏。彼等が酩酊しているのは本当にドラッグのせいだけなのか……時間の感覚を欠いた明るさはただただ目眩でしかない。純白は暗黒より深く重いようだ。
白夜による太陽の光の恵みを燦々と受け、あらゆるサイクルを行う。生と死(輪廻転生)、生殖と繁栄、収穫と豊作への祈り。全てが神聖なるものであり、コミュニティの全員が一体となって享受すべきもの。感情すら共同体として共鳴する為コミュニティの一員である幸せと愛は計り知れず、そこにしか真理も正義も救済も存在しない。
同質のみの閉鎖空間において異質が存在しない不気味さ、存在してはならぬ恐ろしさの中、異分子でありながらコミュニティの一員として、彼等それぞれが儀式の上での"役目"を果たし、タペストリーや壁画により示唆された結末を辿りながら浄化させられ昇華させられた。しなければならなかった。
クイーンとなった彼女の笑顔の爽やかさが、彼女自身がわだかまりを浄化せしめた事を物語っており、祝祭は順調に進んでいる事をも思わせる。
