Masato

レイトナイト 私の素敵なボスのMasatoのレビュー・感想・評価

3.9

長年愛されてきたトークショー番組のホストを務めるキャサリンニューバリーは、時代の変化に置いていかれて視聴率の低迷に陥っていた。タカをくくっている彼女は部下に適当に任せて採用した未経験の女性モリーをライターとして雇う。

主演脚本がThe officeでお馴染みのミンディ・カリング。監督はミンディと同じくインド系のニーシャ・ガナトラ。そしてエマ・トンプソンというメインキャストでバンバンと人種ネタやフェミニズムネタ、政治ネタをぶっこんでいくので、安心して笑える。もちろんかなりのリベラルスタンスで嬉しい。

キャサリンは長年ホストをやってきた驕りで努力もしないし、ジョークはライターに丸投げするし、社内が白人男性に偏りまくりという最悪な環境の会社に入ってきたインド系アメリカ人の女性。所謂"老害"なキャサリンが新しい風を吹かすモリーとの交流を経て成長していくドラマで、プラダを着た悪魔やマイ・インターンと似ている。ただそれらは万人受けするような内容に対して、本作は結構アメリカのローカルなネタが多いので人を選ぶかもしれない。政治とかカルチャーとか知ってないとわからないところが多い。かく言う自分も全ては拾えていない。

キャリアを積み重ねてきたからこその驕りと戦うキャサリンと白人男性だらけの社会で多様性枠と揶揄されながらも必死に頑張るモリーが根底で繋がりお互いに成長していく。イマを取り巻く社会環境をしっかり描きつつ、彼女たちの抱える普遍的な苦悩のドラマも忘れない、相補的に描けている素晴らしい脚本。驕りは絶対に駄目だと気付かされるね。初心忘れるべからず。

救世主の白人様コーナー最高に面白かった。こういう皮肉できる文化良いよね。最後の社内、保守の人見たら憤死しそう。ジョン・リスゴーのセリフが最高にオトナでスウィートでウットリした。あんな言葉普通言えないよ。
Masato

Masato