片腕マシンボーイ

この街と私の片腕マシンボーイのレビュー・感想・評価

この街と私(2019年製作の映画)
4.1
昨年「青葉家のテーブル」でマシンボーイ映画賞助演女優賞に輝いた上原実矩ちゃんがコロナ前に撮影した初主演作品がついに上映ってことで……気合いいれて初日に観に言ったらば、贔屓目無しにめちゃ面白い傑作でマシンボーイはウハウハ!寅さん大好きなマシンボーイなのに「男はつらいよ」観た後よりも葛飾区が気になっちゃう素晴らしい作品やったぞぉ!

お笑い番組つくりたくて制作会社に入社するも、深夜の地元紹介番組のADとして日々休む間もなく働いているミキ、頑張って考えた企画書も会議で振り落とされ、ひとりで任されて撮ってきたインタビューの素材は使えないと言われ、なんでこの仕事しているんだろう?と自信喪失してしまったんやが……、って話

そうね、渋川お兄やん目当てに「ろくでなし」観に行って、ヤクザなお兄やんの高校生彼女を演じた実矩ちゃんの存在感と美しさに一目惚れしたマシンボーイは、それ以来ずっとファンなんやが、「ろくでなし」以外にも「ガールズステップ」「来る」「私がモテてどうすんだ」「青葉家のテーブル」等々、どの作品でも抜群の演技と多彩な表情がめちゃ印象的で、新しい作品観る度に虜になっていくんよね!
そんな実矩ちゃんの初主演、今まで数々の主演を食い散らかしてきての初主演!もちろんめちゃ素晴らしかったよね!今回は食う相手もいないからば独壇場よ!昨年のマシンボーイ映画賞助演女優賞に続いて今年は主演女優賞狙ってんのかな?
うん、喜怒哀楽のはっきりした表情の演技が素敵な女優さんやからば、まぢ感情が顔に現れる度にマシンボーイの心中もコロコロ転がってもう大変よ!笑顔はもちろんながら……1番好きな表情は不機嫌なしかめっ面、可愛い
あとお腹いっぱいなんにチキンカツもりもり食わされる時のモグモグっぷりと、取材の合間に銭湯でリラックスなホッコリ顔に癒されましたねぇ

そして監督は以前観た「くさいけど愛してる」の永井監督、女性の匂いっつ〜デリケートな問題を正面から茶化した作品に、面白いけど大胆やなぁ!っつ〜印象があったんやが、本作ではヒロインミキのまだ経験の浅い若者ならではの戸惑いや成長を繊細に描いていてだいぶ印象が変わりました!
地域密着型映画としていえば、ヒロインの成長と共に葛飾区への興味も引き立てられていく構成がドラマと広報の役割が互いに引き立てあっていて面白かった!うん、だってあのお寺にいた狛犬代わりの……トリケラトプスみたいな恐竜めちゃ見てみたいもの!

あと細かい部分で言えば、ミキが大好きな天竺鼠の川原には緊張して声もかけれないのに、ですよ。のことはかなり雑に扱えるんが笑いましたね……
えぇ舞台挨拶後にパンフレットにサインを頂きに行ったマシンボーイは監督や川原さんには緊張せず話せましたが、実矩ちゃん相手にはまぢ緊張し過ぎて声どもってましたね!一回り以上年下の子相手に……シャイかよ!(シャイなんです、スンスン、生は可愛すぎた……)

あとな、ミキのヒモ彼氏役で出ていたんが……先日の若手映画作家育成プロジェクト2022のコーヒーのんでもヒモ夫役で出ていた方で、え?プロのヒモの方じゃ無いよね?って心配なった!ゲラゲラ
そんな彼も就職が決まり、これからミキ同様に社会の厳しさにぶつかって行くんやろうが、彼等と同じくこれから社会の荒波に揉まれていく若者達にも、マシンボーイ同様にまだまだ社会の渦に阻まれもがいている中堅にも、もはや社会の荒波なんて楽勝やで!つって波に乗っちゃってるベテランも、誰が観てもミキの成長に暖かくなれるし、勇気も貰える良作やったよね!オススメ〜

しかし、ラストでミキが新たに考えた企画が、この作品完成後に更なる社会への大波として現れたコロナ禍にすげぇフィットしていて先取り感が凄かったね!結果としてコロナ渦中な今に公開されたのは1層効果的やったかも

さぁ、ってことで、次は実矩ちゃんが昨年のTAMA NEW WAVE コンペティションでベスト女優賞を勝ち取った第2の主演作「ミューズは溺れない」をぜひ劇場公開して欲しいよね!川瀬陽太や森田想ちゃんなど他のキャストもマシンボーイ得でめちゃ楽しみなんやが!



あ、実矩ちゃんってば「余命10年」にも出ているっぽいんやが、藤井監督作品おもろい思った事ないんよなぁ……