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幸福路のチーのとぽとぽのレビュー・感想・評価

幸福路のチー(2017年製作の映画)
4.0
《心の目》で見えるもの。祖母の他界を機にアメリカから台湾へと帰省。子どもの頃からの記憶をたどる青春成長カミングオブエイジ=田舎燻りモノ。叶えられなかった夢たちにまつわる夢見心地な語り口、そして胸を打つドラマ。王子様を夢見て、待ちながら。不思議な力を持っているようなおばあちゃんのように、次第に惹かれていく温かみのある絵。思いの強さの大切さ。決して多く裕福な家庭でないものの医者になってほしいという両親の期待を背負った主人公。戒厳令下の子供時代。普遍的題材と特定の地域時代性が、共通性高くもやはり私的な物語をだいじにだいじに、そのときの感じたことを丁寧に紡ぐ。
《夢》私の家はどこ --- 嫌いなのになんで勉強を?何になりたい?お前が何を信じるかで自分の人生が決まる。好きでもない教科で時間を無駄にしないで。偉人になって世界を変えたい、社会を良くしたい。仕事人間になって両親のために稼ぐ日々。あの頃夢見たようには思い通りにはいかない人生、大人とは金を稼ぐ機械。学生運動と新聞社に入社してからの陳水扁デモ、921大地震など自らの半生に思いを巡らせる。昔思い描いた夢。結局誰も夢を叶えられなかった。

P.S. コロナが落ち着いたら実家に帰ろう。
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