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命みじかし、恋せよ乙女のKentFのレビュー・感想・評価

命みじかし、恋せよ乙女(2019年製作の映画)
3.8
現世とあの世、南ドイツと日本。二本の軸が交差する場所で出会う、活力を失った男と不思議な少女の物語。

妖怪や幽霊。“境”に佇む霊的なものに惹かれて惑わされながら、僕らは生きている。道標となってくれるのは、ここよりも少し境に近い所に棲む人たち。この最も困難な役どころを樹木希林が演じた意義は余りにも大きい。

黒澤明「生きる」(1952)へのオマージュは、この詩的な作品の方向性を実に良く表している。
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