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決闘高田の馬場のROYのレビュー・感想・評価

決闘高田の馬場(1952年製作の映画)
4.8
赤い襷に白鉢巻!斬って斬って斬りまくる御存知安兵衛、高田の馬場の十八人斬り!

巨星・阪妻が待望の堀部安兵衛!砂塵を蹴って宙を飛ぶ血戰・高田の馬場に展開する一世一代の剣陣一瞬十八人斬の壮絶! 稲垣浩とマキノ正博が共同監督、一週間足らずで製作完成した正月作品

血煙高田の馬場(戦後1954年に『決闘高田の馬場』と改題・縮尺して再上映された)

■INTRODUCTION
腕は確かだが、飲兵衛で喧嘩に明け暮れていた中山安兵衛。その安兵衛の苦手とする叔父の菅野六郎左衛門が、村上庄左衛門とのトラブルから、高田の馬場で果し合いをすることになってしまう。危急を知った安兵衛、一散に駈けつける。後の堀部安兵衛一世一代の剣陣の火ぶたは切られた!

■STORY
何処だ、何処だ、喧嘩は何処だ!!物見高い江戸の連中が取り巻く中で、朝っぱらからあんまり強くない奴が二人、境内の真中ですごいタンカをきってズラリと抜き合って構えていた。そこへ大酒飲みの中山安兵衛「おい喧嘩は俺が買ったぜ」と御登場。喧嘩の仲裁でまんまと酒代をせしめた安兵衛が長屋でいい御機嫌でのびていると、こんどは長屋の夫婦者の喧嘩が始まった。そこでも仲裁を買って出た安兵衛ノッソリ帰ってみると、ちょっと苦手な伯父の菅野六郎左衛門が来ていた。会えばお定まりのお説教だが、妙に身に染みる。刀を見せろと言われて、刀だけは手入れの行き届いた奴を見せた。明日は六郎左衛門、恒例の剣術試合だ。今年も村上庄左衛門に勝てるかどうか。一方、堀部彌兵衛の娘お妙が、自分の婿は自分の手でという主義で婿探しに出かけたある日、颯爽とした安兵衛を見染める。さて試合の結果は村上の負け。中津川祐範と語らった庄左衛門と次郎太の村上兄弟、六郎左衛門に果し状をつきつけた。決闘当日、飲んだくれて寝ていた安兵衛の許に六郎左衛門の書置きを持って駈けつけた長屋の連中。六郎左衛門の危急を知った安兵衛、高田の馬場へ一散に駈けつける。お妙のしごきを身にまとい、中山安兵衛、後の堀部安兵衛一世一代の剣陣の火ぶたは切られた!(日活HPより)

■NOTES
◯1694年3月6日に実際に起きた中山安兵衛(のちの堀部武庸、四十七士の一人)の「高田馬場の決闘」の故事と逸話をベースに、マキノが書き下ろした。八丁堀(現在の東京都中央区八丁堀)から高田馬場(現在の同新宿区西早稲田3丁目)までの「安兵衛の韋駄天走り」を表現した、モンタージュ技法が有名。

◯タイトルになった主題である「高田馬場の決闘」の剣戟シーンのため、撮影前日、マキノは阪東妻三郎を宮川町のホールに連れて行き、ジャズのレコードをかけてダンスを踊り、翌日の本番ではジャズのノリで撮影をしたという。本作の全撮影日数は7日であった。

■COMMENTS
14分頃からの阪東妻三郎の一人語りが痺れる。

んー、ハッ!んー、ダー!

決闘場でのカメラワーク(左から右)がゾクゾクする

家を出るシーンもなかなか迫力がある

「腹が減っては戦はできぬ」と言ってたのが髭をつけた志村喬さん

「無頼の群れに投じて、無頼の心になるのではないぞ」

熱いトタン屋根を飛び回る猫

文字通りフットワークがヤバい
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