ソウル

レベル16 服従の少女たちのソウルのレビュー・感想・評価

レベル16 服従の少女たち(2018年製作の映画)
3.2
映画「アイランド」や、自分は見ていないが最近では「約束のネバーランド」などがすぐに頭に浮かぶ題材。要するに新しくはない。設定からして大体のオチは最初から予想がつくタイプの映画だったので、「何路線」なのかに期待をしつつ見ると良い。
ただ、この上ないツッコミどころ満載映画なのは間違いない。良い演出もあるが、ツッコミどころがそれを軽く上回ってしまったのだ。物語も最後どうなるのか気になるし惹き付けられる展開が多いのも事実だが、それだけで評価を付けたらレビューとして終わると感じる程のこの抵抗感!

【演出】
ポジティブ
・閉鎖された空間だからこその照明の扱い方が面白い。青と赤で状況掲示するのは印象的。
・カメラの構図はとても面白かった。施設の人間と少女の会話シーンでは、少女を画面を4分割した右下に配置していることが多かった。こんな奇抜な構図見たことない。ただこれによって、この子たちの低い立ち位置や煽られる服従感みたいなものを常に示すことに成功してると感じた。

ネガティブ
・衝撃の食事シーン。あれだけ清潔や道徳心を徹底している設定なのに、食事は地べたな上にあぐらかいて座るという、半端ではない矛盾。ディストピアとはいえ何故こういう形にしたのか聞きたい。。
・守衛がハンターにしか見えなくて笑う
・守衛がか弱い少女に簡単に負ける
・守衛が夜中にセクハラできる状況があること自体、この作品的には大問題であり実は大穴
・奇想天外な扉のコジ開けシーン、制作陣は全員あれに納得したのか尋問したい
・アクションまではいかないが、人が揉め合うシーンの撮影とカット割りが急に素人感満載

【物語】
一言で言うなら、悪くは無いが爪が甘い。
分かりやすくいうと、低予算の中で色々試行錯誤して結果的にこうなったんだろうな、て感じてしまう展開。それを感じてしまう作りになってしまったのが残念。話の運び方とかは上手いと感じたし、人身売買寄りなオチではなくて良かった。
ヴィヴィアンを光らすことには成功してるけど、それ以外のキャラへは感情移入はほぼ皆無。1番の問題点は最後全員を逃がす必要が本当にあったのか。中盤にソフィアが2人で逃げようと試みたにも関わらず、最後の最後でみんなを置いていけないといってリスク犯す展開はかなり無理があるし、ソフィアのキャラがイマイチ確率できてない中でのあの行動はただひたすらにイライラするだけだ。2人で脱走して、最後は同じ展開で警察に拾われても、結果的に全員を救える展開があったはず。

【総評】
ヴィヴィアン役の子がひたすらに光る。
展開もそこまで悪くは無い。が何よりもツッコミどころ多すぎて、良い部分が見事に相殺され結果胸張ってオススメまではできないなんとも言えぬ作品。
ソウル

ソウル