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82年生まれ、キム・ジヨンのmaroooのレビュー・感想・評価

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)
4.4
これは「私」の物語だと、見た人はきっとそう思う。
キム・ジヨンの物語だけど、私の物語でもあり、誰かの物語でもある。
すべて解決してすっきりというわけでもないし、結局働きたかった会社に行けたのかはわからない。
だから最終的に単純に皆ハッピーになれましたねって話にはならないのがこの物語の根幹なんだと思う。
きっと彼女はあのあとも義母との関係や育児とシゴトの関係でたくさん悩んでるだろうし、夫は復職したらシゴトがなくなってるかもしれない。子どもを連れてでかければ文句を言われる状況だってきっと変わってない。
社会は単純じゃないし、すぐには変わらない。
だけど、見終わるとなんだか救われ、背中を押される感覚になる不思議な映画でした。
実母が父の発言に対して「おとなしくなんかしなくていい」と言った言葉が、最終的に彼女を病から救ったのかもしれないなあなんて思ったりした。
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