ほのか

82年生まれ、キム・ジヨンのほのかのレビュー・感想・評価

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)
4.3
ううう…次々と出てくる違和感嫌悪感に対する感情と言葉に気持ちが滝のように溢れたけど全部涙に溶けて消えてしまった…


ちょうど転換期にいる人なんだね。無意識に区別する年代の人たちと、まだ根強く男尊女卑が蔓延る中理解をしようとし始めた人、違う嫌だ望まないと声を上げる人がでてきた年代。私たちだってまだまだ転換期の渦中だ。
過去あったこと、それに対して受け入れるしか術がなかったこと、何も言えなかったこと。そのストレスがじわじわと降り積もってた。病気という形でしか爆発させられなかったし、そうならなきゃ理解して欲しい人には理解されなかったのはまだまだ辛いな。
お姉ちゃんが本当に本当に素敵だった。ある程度は仕方ないとあっけらかんと受け入れながらそれでも静かに抵抗し続ける姿が素敵だ。「能力があれば女1人でいてもいいのよ」に対して「能力がなくたって1人でいていい」ってズバッと返してくれて、わたしが助かってしまった。1人でいたいから1人でいるが女に適用されない世界はまだまだ私の中にもあって、それを早くなくしたい。
過去のシーンで「就職せずに嫁に行け」って言うお父さんにお母さんがバチギレする所は、周り結構笑いが起きてる中、この映画中で1番の号泣をかましました。はちどりのお父さんはそこで逆上するんやけど、それがなかっただけいい関係だと思う。生まれてこの方当たり前になってしまっていることを覆すことは一朝一夕では難しい。けど、それがどれだけ本気かがちゃんと伝わる人だったことに胸を撫で下ろしてしまった。




というか、これ観て、もともと描きづらかった将来子どもをなして育児するビジョンが綺麗さっぱり消え失せた。子どもほしいと全く思えなくなる映画第1位。「子供作ろう!」って迫るコンユ、迫り方がまじで無理無理無理無理すぎて、顔が好きでも無理なもんは無理がちゃんとわたしの中にもある、って確認するなど。