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フェアウェルのpopcornのネタバレレビュー・内容・結末

フェアウェル(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

大傑作。それ以上に、個人的に思い入れの強い作品になった。割と久しぶりに映画館でちゃんと泣いてしまった笑

中国⇆アメリカを、田舎⇆都会と置き換えると(多分価値観のギャップは割と近いはず)余りにも自分の境遇と重なる。田舎から小学生になる頃に核家族で地方都市に出て、そこから更に単身で都会に出たは良いけど何者でもない独身一人暮らしの同世代。違うのは自分の性別と、自分の父親が長男か次男かということぐらいか。

告知の問題も十数年前に現に経験した(しかも本作同様に言わないという選択だった)し、普段会わない親戚が本人が辛うじて元気なうちの思い出を残しておくために何か良くわからん名目(本作は一応結婚式だったけど)で突然田舎に集まることになるのも、本人だけが真実を知らない(と皆は思っている)ことから醸し出されるあの空気も、帰属している社会の違いから生じるのであろう親戚間の変な緊張感ある会話も、祖父の墓参りの時のやり取りも、嫁(母)から見た姑(祖母)の感じも、祖母の孫に対する目線も全部分かりすぎるぐらいに分かる(ただ本作の登場人物は多分うちの親族よりかなりリベラルではあるが)。

「中国とは価値観が違いすぎて・・・」みたいな感想を割と見るのだけど、そういう方は所謂"田舎"がなかったり、まだ若かったり、もっとリベラルな家庭に育ったりしたのかな。日本の田舎には本作でいう"東洋的"価値観はまだ全然残ってるはず。

映画的なバランスとしてもウェットに振りすぎずにとても良かったと思う。Awkwafinaも最高だった。
決して田舎に戻りたくはないのだけど、無性に家族に会いたくなる作品。
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