Alighieri

ラストブラックマン・イン・サンフランシスコのAlighieriのレビュー・感想・評価

3.9
オンライン試写にて鑑賞。変わりゆく街の中で、唯一変わらない思い出の家。過去に一度手離してしまったこの家こそ自分の価値であり、自分の全てだと思うジミー。でも本当の「自分の価値」とは何なのか。ジミーとモントとの友情があまりにも美しかった。
そして、この作品はtoxic masculinityとステレオタイプの話でもあったと思う。ジミーとモントは所謂“黒人的な”雰囲気がない。周囲から「女々しい」とか「白人みたいな格好だ」と言われたりする。でもそんな彼らを悪だと言わない。人には二面性があり、片方だけで決めつけるのは残念なことだと知っているから。
映像も音楽もとにかくすべてが美しい作品なんだけど、何よりもジミーとモントの友情があまりにも美しかった。今のジミーがいるのはモントのおかげだし、今のモントがいるのはジミーのおかげ。どのくらいの付き合いなのかというのは劇中では分からないけど、この2人の友情がどんなに深いかはよく伝わる。
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