侵された権利を主張したいのであれば侵した権利についても非難すべきだし、振るわれた暴力について主張したければ振るった暴力についても非難すべきだし、奪われた自由を主張したければ奪った自由についても主張すべきだと思う、一方的に相手を収奪者、こちらは被害者であると訴え続けたところで、その平行線は全く解消されない。ジェントリフィケーションなる社会現象を頭に入れてから観ないと「何やってんの？」になると思うし、個人的には入っていたところでバリー・ジェンキンスよりマシくらいにしか思えなかった。物語の背後に実在の社会問題を潜ませ、それをなるべく小さな声で多くの人に届けたいとの姿勢は買いたいが、そもそもそんな面白くないし、不法占拠は誰であっても不法占拠でしょ。アイデンティティを何処に求めるかは個人の自由だとは思うが、その行き過ぎが観ていて苦しくなってしまうし、家を取り戻したところで彼の家族は元には戻らないと思った。ってか父ちゃんが海賊版DVDを売ってるのとかはいいんですかね、それも「しょうがない」で済ましてしまっては絶対に駄目だと思うが。なんかこう言う書き方すると冷たい人間に思われそうで怖すぎる…全くハマんなかったです、すいません。
