風来坊

イップ・マン 完結の風来坊のレビュー・感想・評価

イップ・マン 完結(2019年製作の映画)
4.0
遂に完結ですかぁ。今回は反抗期真っ盛りのバカ息子の件など、イップマンの家庭的な悩みや自身の健康問題などを中心に物語が展開。
反抗期だとしても息子のあの態度は許せんなぁ(´・ω・)

ただ実際は先妻との間に最終的には息子さん2人と娘さん2人と、結婚はしなかった女性との間に息子さん1人がいたはず。
息子さんはそもそも密航で香港に来た筈で、再開後は普通に詠春拳を教えている筈。

その時のイップマンの実際の年齢と映画の中での若々しい感じとは合わない。イップマンがアメリカへも含めて、これまでのシリーズと同じで史実とは大きくかけ離れた脚色とはなっています。まあ面白いからいいんですけどね(笑)

異国アメリカで見るお互いの人種差別と厳しい現実。イップマンと対立する中華総会の長であるワンもまた子供の問題で悩んでいるというのが面白い。
ワンとの戦いは息をつかせぬ流れるような戦いで熱かった。詠春拳と太極拳のお互いの特徴が良く出ていて対比にもなっていて見応えありました!

アメリカ軍に空手が人気だとは知らんかった(笑)
もうこの時期にはアメリカ軍近接格闘術のフェアバーンシステムやディフェンドーも確立していなかったか?
この辺は日本の空手より、中国拳法の方が優れているというプロパガンダ的な印象は受けますね。

名だたる師匠達が弱い…。イップマン(詠春拳)の強さを際立たせるためとはいえ噛ませ犬感が強い。
今回の最大の敵は空中回し蹴りの使い手、我らがスコット・アドキンスさんなので相手として不足なし。本作でも空中回し蹴りを披露してくれます。

仲間をやられ中国武術の威厳を傷つけられイップマンの怒りが爆発パターンは何時もと同じだがやっぱり熱いですよね。
やっぱり戦いのシーンは迫力満点で詠春拳のスピードと手数を堪能出来て楽しい。

ただ残念なのはブルース・リーさんがイップマンの葬儀でサングラスを掛けていた事。史実で写真が残ってますが、サングラスは掛けてませんでしたよね。型破りなブルース・リーさんのイメージを出しているのでしょうが、そこは史実通りに演出して貰いたかったなぁ。

ちょっと展開が粗い部分もありますが、完結編として見応えある作品で楽しめました。

まとめの一言
「イップ・マン、アメリカに行く」
風来坊

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