よーすけカサブランカス

イップ・マン 完結のよーすけカサブランカスのレビュー・感想・評価

イップ・マン 完結(2019年製作の映画)
3.9
イップマンの生涯とは戦中戦後の中国の歴史と不可分でありその戦いは代理戦争であり続けたなかで、最終章における彼の使命はもはや中国本土の敵を倒すことではなく外国に離散した同胞を救うことになった。この点は素晴らしいと思う。ただ敵(米軍の空手教官)を倒すことと中国人を圧政から救うこととの間には様々な政治があるはずなのにそこを空白にしたまま描いてしまったのは残念だった。それにKARATEと日本の空手は別物だと考えたとしても、あまりにアメリカがKARATEを自国の文化だと考えてそうなのが気になった。それがあの国の傲慢さ、帝国主義的側面だということだとしても一言ぐらい言及があってよかったはず。とはいえ息子との関係と総会の父娘を照らし合わせる脚本はよかったしブルース・リーも悪くなかったし、最期は泣いた。