停滞

私が、生きる肌の停滞のレビュー・感想・評価

私が、生きる肌(2011年製作の映画)
3.9
アルモドバルは2作しか見てなかったけど、これも物語で引き込んで置いてその解釈は観客に放り投げるテイストがある。しかし演技に頼るというよりは脚本が強い。それに加えて後半は回想ってか過去シーンがどどーんと入りどのタイミングで現在になったのかが判然としなかった。ホラーなのかサスペンスなのかミステリーなのかラブストーリーなのかSFなのか、それも含めてこうであると捉えがたいのが新奇的でよくもあり、不満でもある。

影を使った演出、無駄に美しく静謐な医学関連のイマージュ、光が向い瞬間に光が当たるショットに切り替える、そしてあの完璧な構図といってもいい俯瞰ショット、冒頭からある普通の瞬間を不気味で優美な世界へと変えてしまう音楽、味がある。
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