かすとり体力

ひとよのかすとり体力のレビュー・感想・評価

ひとよ(2019年製作の映画)
4.2
おおおおお。
めちゃくちゃ良いいいいいい。

評判が(他の白石和彌監督作品に比べると)そこまで良くなさそうだったのと、この前作の『凪待ち』が個人的に全然ダメだったこともあって、気にはなっていたが長らく放置していたものの。

最っ高に良かったし、見ていてめちゃくちゃ胸が震えた。。

改めて考えると、白石和彌監督ってほんと化け物で、『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』『孤狼の血』『孤狼の血LEVEL2』を撮ってるという。
全部最凶に素晴らしい作品。

それが本作は、これらの作品の中でもトップクラスで良かった!(嬉しい誤算・・・)

まず、同監督ならでは、とにかく作品のパワーがすげえ。
正直、物語の細かいところでは「ん?普通そんな感情になる?」「なんでそんな行動を・・・」みたいなノイズはあるんだけど、作品のパワー(としか言いようのない勢い)で最後まで作品が求心力を失わない。

最初から最後までずっと面白かった。

そもそものテーマ的にも「壊れかけた家族のメンバーが、様々なアクシデントによって感情を剥き出しにされ、それによって衝突することになるも、その「お互いの本心をぶつけ合い、少しずつ認め合う」ことにより、家族の絆を再生していく」という普遍性の高いテーマで、それが上述の勢いでエンパワーされているもんだから、もうなんというか、ビンビンに心に響いてしもうた。

そしてまた、「この映画、出てくる役者の演技が全員良い!!」っていう映画は多々あるが、本作は個人的に「歴代1位」。

「出てくる役者の演技が全員良い!!」賞の大賞を授与してあげる。私が。

いやもうホント、全員良い。んだけど、ホントその中でもとりわけ良かったのが、松岡茉優。噂には聞いていたけどこんなに演技素晴らしいんかい。
あと、MEGUMIね。本業じゃないのになんでこんなん出来るん・・・。
そういう意味では千鳥大悟もよ。まぁ彼は漫才コントの実績があるけど、それにしてもおでれえた。

あと、本作見て改めて気づいたけど、白石監督の作品って画面の色調(?)が独特じゃない?
コントラスト強めというか、色味が薄めというか。。それによってこう、一種ドライな空気がずっと流れている感じ。これも良き。


ということで、想定に反してめっちゃ良かったです。
やはり、見らず嫌いはいかんですよ、自分。
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