Stroszek

スケアリーストーリーズ 怖い本のStroszekのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

本を読んでると思ってたら本に読まれている、それも自分の一番怖いものを、そしてその怖い目に遭い、物語に呑み込まれて出られなくなる、という風に、本を活用した恐怖譚。

最後、ヒロインのステラが呪いの根源であるサラに「あんたが虐待に遭ったのはあんたの家族が悪いけど、あんたがやったことの責任はあんたにあるのよ」と不当な目に遭って死にきれず霊にまでなった少女にするには少々自己責任論すぎる説教をし、「あたしがあなたの物語を書くわ」と説得して呪いの連鎖を止める。

サラは書く側から書かれる側に回り、ステラは書く側にシフトチェンジしたことで、物語を綴り続ける役割を引き受ける。それがある種の呪いとしではなく、元々作家志望の彼女の自己実現として描かれている。

「友達二人はまだ行方不明だけど、大丈夫、彼らを連れ戻すヒントはこの本の中にあるから」と前向きに終わるが、「最初に案山子のハロルドに殺されたいじめっ子は連れ戻す対象に入ってないんだ…」と思ってしまった。
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