jonajona

僕のワンダフル・ジャーニーのjonajonaのレビュー・感想・評価

3.3
もう3年も経とうか、前に実家で飼ってた犬を亡くしたのです。それまでは何となくこういう映画は犬好きの弱い所に付け入るようなもんなので犯罪的ですらあると思ってたけど、救われる人もいるだろうなと思うようになった。

テレビの吹替版をみていて吹替の日本語の声がすごい違和感満載で(ダミ声でずっと人間の常識とは別の思考で優しいことを考え続けてる)ふと漫画『タコピーの原罪』にすげぇ近いなと思った。主人公の親が片親でちょっと環境大変そうなのも含め…、こういうところからも発想しようと思えばできるのかとか映画を離れて勝手に反省する。全然声合ってないと思うけど人間界を見るわんちゃんの視点は面白く、この構造は楽しかった。モリー自体はかわいい…

母親といえば、本作の場合初期の段階では毒親というほどやべぇ母親ではない気がするんだけどね。祖父母も優しい人だけど本作では毒母親が祖父母の庇護下を自立する能力もないのに勝手に離れたみたいに描写されてるけど、シングルマザーが実家に帰った時に子供の目を離して電話くらいしたいだろうし、その短い間に事故が起きそうになったのは不幸なことだけどそれで娘を一喝する父親も家にいる間どうやらずっと小言を言い続けてるようなので、自分が母親失格の烙印を押され続けてるようで娘をとりあげられたく無い気持ちもありメンタル不安定になるのは致し方ないのでは?と思う。目線の問題だね、単純にもっと優しくしてやれと思う。余裕が全然ないんだよこの人は…。多分自分が母親と年齢が近くなってきてるのもあり共感してしまう。まあ…結果的には毒親になったんだけどさ…

CJを手に入れる為に主人公の女の子が友達と一緒に背いっぱいの変装して大人になりすましてなんか電話して画策してるところが可愛らしかった。友達の『やったやった!僕悪いことしたのって初めて!』て楽しそうなのがほっこり。

モリーが輪廻転生し続ける犬、っていうのはなかなか面白いけど歪な設定。好きな人が沢山いるだろうから申し訳ないけど人間の夢を押し付けてるようであんまり素敵なとは思えない。だってそれなら!モリーの体に本来入ってた女の子の犬の精神はどこにいったの?
あと普通に幼馴染の婚約者目線でみるといけすかない幼馴染の女が帰る場所もないとのたまって彼氏との生活にインベーダーしてくる恐怖映画なのだが…そこは爽やかに流されて悪役になってて草。

けどまぁなんやかんや最後に金色の草原をかけてお父さんのとこに会いにいくのはちょっと胸にくる。天国信じてないけどわんちゃんにはあってもいいかもね。
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