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ある閉ざされた雪の山荘でのjonajonaのレビュー・感想・評価

ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)
2.5
なかなかの逸材。
本格ミステリーの雰囲気を醸しつつ序盤からもさいし空気重いし会話がぬるっとしてる。まだ何も起きてないな…いま何分?と加藤一二三ばりに残り時間を確認したらもう1時間近く経過してて死んだ。

絶対12人の死にたい子どもたちと同じ奴がポスター担当してるやん。
ポスターどころか中身のふわふわ加減もかなり酷似してる。

ミステリで、特に群像劇で地味に大事なのは誰がどんな名前とキャラかってことを序盤の短時間で観る側が覚えれることなんだと知った。
そもそも人物が多く視線が脇に振れるので一度目に入って彼だとわかるキャラクター性が大事なんだろう。ミステリならなおさら『謎』に集中するためには前提条件の人物についての理解を済ませておく必要がある。

その上で本作を見るとまずい描写がビシビシ黒閃放ってて、まずはじめに露骨すぎるくらい顔と名前を紹介して以降ヒキの絵ばかりで人物の表情や仕草、相手への目線に込める不信感などの機微が読み取れない距離感の絵が続く。次第にだれだかわからなくなる。
さらに会話の中身がおお、いいんじゃないですか、なんだよそれえ〜、ウィー、とか失敗した大学生の合コンみたいなむず痒い単語のみで構成されてるので話が入ってこないどころかキャラが見えず。
そのままミステリに突入すると(導入のパワポ触りたてのようなフォントで天井に浮かび上がる文字列も傑作なのだが)起きてるのかもわからない殺人事件を起こってる前提で騒ぎ出して平たく言うと全員アホに見えるのだ。とてもじゃないが有名劇団で一線で活躍してきてたプロの役者集団とは思えない。思慮もセンスも感じないアホの集まりでそれゆえに起きてるかわからない事件を考察するという余裕も彼らにはないのだ。
こんな曖昧模糊としたものをミステリとよんでいいのかどうか。まるで『行きたら行くわ』と言った友人が来るのかどうかわからないまま、ファミレスで時間を潰して待ってたあの頃のような不毛さ。せめて西野七瀬と中条あやみのかわいさだけは拝んどくかと画面を眺めるとそれすらヒキの絵に殺されてて満足に楽しめないという八方塞がり。
5分前に思いついたようなキャラの関係性が前フリもなく急に現れてくるし…色々おかしなところがある。
今日はもう寝よう。
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