Masato

僕のワンダフル・ジャーニーのMasatoのレビュー・感想・評価

4.3

イーサンの孫であるCJを守るよう使命を受けたベイリーが、輪廻転生を繰り返してCJを守る姿を描く、「僕のワンダフルライフ」その後の物語

前作はラッセハルストレム監督による、ど直球の感動ドラマだったが、本作も見事にド直球に決めてきて、涙無しには見られない反則級の映画だった。

前作を見ていると、感動マシマシなので、本作だけでも良いが、ぜひ前作を見てからのほうが良い。

ストーリーの構成は、前作をそのまま引き継ぎ、今回は犬自身の存在意義を模索することではなく、CJを守るストーリーに徹している。

本作の良いところは、犬のベイリーが主人公であるのにもかかわらず、基本的な軸になる物語は、飼い主の人生であり、その物語にひっつくようにベイリーの存在があるところだ。前作のテーマであった「犬はただいてくれるだけでいい。いることこそが、無条件の愛」というテーマがより際立っている。

その飼い主の物語になるCJの人生もなかなか面白い。あるあると言えばあるあるな話なのではあるが、犬がいることがどれだけの人々の人生の支えになっているかが身に染みてよく分かるストーリーになっている。ダメ親とか、恋人とか…ワンちゃんの物語だけでなく、そうしたヒューマンなストーリーとしても楽しめる。特に母のグロリアと友人のトレッドのエピソードが、本作のテーマに深く関わるような、すごく味わい深い物語で良かった。母親にすっと寄り添うベイリーでもう感涙。

傷ついたり、落ち込んだり、孤独を感じたりすると、親とか恋人とか、損得の関係ではない存在から無条件の愛が欲しくなる。でも、親や恋人から愛をもらえなかったり、欲しくても言いづらい事だってある。劇中だと、母のグロリアとかCJ本人のように。そういう時にこそ、ワンちゃんのような存在こそが愛のような…犬にとっちゃ勝手なんだけど、そういう存在が必要になる。

欧米では、子どもの頃に空想の人物を作り出すことはごく普通のことで、イマジナリーフレンドと呼ばれている。でも実際、子どもでなくても、大人になってもそういう存在は必要な時があると思わされる。「人は犬無しには生きられないのに」というセリフが劇中にあるが、場合によっては本当にそうなのかもしれない。

コメディもあり、ハートフルもありと、見れば幸せにならなことはあっても、嫌になることはない。最高の映画だった。
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