回想シーンでご飯3杯いける

僕のワンダフル・ジャーニーの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.3
続編やシリーズ物があまり好きではない僕でも、前作「僕のワンダフル・ライフ」で4.5の高スコアを付けたのだから、これも観ないわけにはいかない。今回も犬の輪廻転生を描いており、4匹の犬が登場する。2時間で4匹なので、1匹当たりの描き方は淡白になるのだが、前作同様そこが良い。犬の寿命は人間より短いのだ。飼い主より後に生まれた犬が、飼い主より先に死んでいく。犬を飼った人なら誰でも知っている真理から目を背けることなく、当たり前のように描くのがこのシリーズの特徴であり、良い部分だと思う。

今作では、前作の主人公だったイーサンの娘CJを守る存在として犬が転生する。しかし、登場する4匹の犬が全てCJに近い場所で転生し、現生での飼い主よりも、CJを守るために一直線に突き進む展開は、さすがにやり過ぎだ。

前作では、犬の人生(犬生)が、生まれてくる境遇によって大きく変わる事を辛辣に描いていた。だからこそ輪廻転生を繰り返した末に元の飼い主に再会する感動も大きかったのだ。対して本作はCJの人生に沿ってストーリーが展開するので、犬生の物語としての振り幅や味わいはほぼ無いし、実際「犬生」というフレーズも殆ど登場しない。

僕も含めて、犬好きの人が見て楽しめる作品ではあるものの、監督の交代があったからなのか、前作で観られた独自性と味わいは感じられなかった。