松井の天井直撃ホームラン

さくらの松井の天井直撃ホームランのレビュー・感想・評価

さくら(2020年製作の映画)
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☆☆☆★★★

原作読了済み。

原作を読みながら「これは一体何を言いたいのか?」…と何回も思う程、さっぱりと要領を得ない話でした。
とにかく話があっちへ行ったり、こっちへ行ったり…と。枝葉が幾つも別れては時間が進行し、やがて悲劇が起こる。
それをこの家族に寄り添い生きている犬のサクラが見守っている。

これをどうやって映画へ?

監督が監督だけに(良い意味で)そんなに悪い内容にはならないのでは?、、、とは思いつつも、殆どは不安感しか感じずに、映画館へ行ったのが正直なところ。

映画本編が始まり、やはりと言うか。最初の20分くらいまでは、知っている内容なのになかなか映画の中身に入り込めず、心ここにあらずの状態で、、、

映画本編も、多くのエピソードの順番が原作の時間経過とは異なり進んでいたその時。兄とのお風呂での会話で、ボディソープだろうか?手の平の白い泡を見てはHを意識する薫。
それを観ていた瞬間!

「嗚呼そうか!コレは《サザエさん》とは言わないまでも、セックスを含めた性に関する艶笑譚を、四コマ漫画のスケッチ風にしているのでは?」…と思い始めた。
そう言えばこの監督は、以前に撮った『ストロベリーショートケイクス』で。主演の中越典子に対して顔面ぶっかけを撮るとゆう、由々しき場面を敢行していたのを、一気に思い出したのだった。
この映画本編でも、原作に有るミキの放尿場面を何も臆する事なく撮っているし。在ろう事か、原作にはないミキのオナニー場面すら躊躇なく撮るとゆう、、、

映画は凡そ本編の半分辺りまではそんな状況で進んでいた様に思えた。

基から原作では、薫は妹のミキに。
ミキは兄を。
兄は矢島さんへの愛を持ちつつ、妹のミキにも兄を越えた好意を。
そんなミキを愛するカオル。
サキコは長年に渡って父親を。

近親相姦とは言わないまでも、社会通念からは歪んだ想い。
禁断の…とまでは入り込みはしないが、その倒錯的とも言える想いを。
純愛過ぎたが故に、上手く行かないもどかしさが爆発してしまい、、、と言った。様々な恋愛感情が、後半の1時間には絶妙なバランスでブレンドされていた様に思えた。

とは言え。小松菜奈演じるミキ(美貴)の性格であり行動には、(原作を読んでいても同じだが)好き嫌いが分かれるところだと思う。放尿場面等も男の目からよりも、同じ女性の立場から見たならば…と。
元々がそうゆう女の子と言う設定なのだけれども、、、

原作を読んでいたからこそ。それ程の期待をしていなかったが故に、思いの他に途中からは映画のリズムに乗って行けたのですが。やはりこれは好き嫌いがかなりはっきりと別れる作品なのでは?…と思えます。

登場場面は少ないものの、サエコ役の加藤雅也がとても良い味わいの役柄だった様に思える。

2020年11月14日 TOHOシネマズ流山おおたかの森/premier screen