DJあおやま

わたしは光をにぎっているのDJあおやまのレビュー・感想・評価

わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)
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主人公たちの設定にまるで説明がなく、全体的にぼんやりとした雰囲気に包まれた映画だ。いかんせんこういった映画は、感想がひどくぼんやりとしてしまい、まとまりのない文章になってしまう。
わりかし都会に生まれ、今も都会で暮らしている自分には、田舎の風景や下町の人情味に親しみはなく、むしろファンタジーに近い。そのため、この映画の風景から懐かしさは感じず、絵に描いたようなノスタルジックな風景にただ恍惚としてしまった。
物語もテーマもどこまでも普遍的で、ただ流れゆく時間を無造作に切り取ったかのような自然さがあった。そこに始まりもなければ終わりもない。後半に行くにつれて盛り上がるわけもなく、くどい演出も押し付けがましいお涙頂戴もない。はっとして映画は幕を閉じ、登場人物たちのこれからに、つい思いを馳せてしまった。
世の不潔さを目の当たりにした主人公が異国の人たちの温かさに触れるシーンは、妙なシンパシーを感じて涙が出そうだった。リトルエチオピアへ行ってみたい。
光石研の酔っ払い演技、素晴らしいなあ。
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