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八月はエロスの匂いの特売小説のレビュー・感想・評価

八月はエロスの匂い(1972年製作の映画)
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特徴的な風景は終ぞ見られず仕舞いだったものの、東京湾フェリーに乗船、きさらづ丸と行き違ってからの場面は間違いなく千葉がロケ地、そう思うと画面に物凄い引力を感じて目が離せなくなってしまいまして。

いけ好かないけど気取って見える大学教授も無邪気に朴訥さを振り回す田舎者丸出しの地元の級友も典型的で退屈、幸福の対義語は不幸ではなく虚無、孤独から救ってくれる誰かなんてどこにもいない、て話かしらわっかんねえよ全然。

なんて事を思いながら観ていた訳ですが。

映画のラストシーン、事態の全てを掌握し、人生に於ける行き先がしっかり見えたとでも言い出しそうな主人公の表情に、こちとらの浅薄な考えを見透かされてそういう事じゃねえよと言われたみたいに感じられて。

思わず吹き出しそうになるくらいの痛快さを思いましたよね、と。

ポルノ的には、田舎者が馬鹿の振りして寝転がって見た光景と、ワンチャン狙いで太腿に触れたその心情を想像して以て大興奮、と。
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