メシと映画のK佐藤

クロール ー凶暴領域ーのメシと映画のK佐藤のネタバレレビュー・内容・結末

クロール ー凶暴領域ー(2019年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

物語がほぼ主人公の旧居のみで進行する。
主要登場人物は主人公のヘイリーと彼女の父親デイブ、そしてデイブの愛犬シュガーのみ。
そして上映時間は僅か88分。
ストーリーはワニとハリケーンの危機から逃がれるだけと云う至ってシンプルなもの。
このコンパクト&シンプルな作りは正に娯楽の御手本で、本作で最も評価すべき所だと思います。
パンフ掲載のアジャ監督のインタビューによれば、本作は過剰にドラマを前面に押し出すのではなく、ワニが人を襲う様を観せるのが第一だったそうです。
この潔さが、本作を無駄な贅肉を省いた作品の構成に繋がっているのだと思います。

惜しむらくは、ヘイリー達の生還迄の道路整備がイマイチだった事。
ワニの特性(金属音を嫌う、水中で音を立てなければ気付かれない等)を事前にではなくワニに襲われてる最中に描写するので、ワニの危機から脱する際のカタルシスが余り感じられない。
ハリケーンの火事場泥棒の乗ったボートがヘイリー達の命綱となる伏線となると思いきや、結局クソの役にも立たないまま沈む。
最終的にヘイリー達の命を救う事になる発煙筒が何の前触れもなく登場する。
これら後出しジャンケン的な描写や不必要な描写が、非常に残念でした。
ヘイリー達の生還迄の道路整備がしっかりしていれば、個人的に本作は百点満点でした。
うーん…惜しい!