Yuuka

17歳のウィーン フロイト教授人生のレッスン/キオスクのYuukaのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

第二次世界大戦へと向かう時代のウィーン。
ナチスによってオーストリアが併合されていく時代の流れは暗澹としていて、画の配色も暗めだったけど、主人公のフランツがその中で大人になっていく様子が頼もしくもあり悲しかった。

物語の序盤では、故郷の湖に潜りガラスの破片を拾ったり、雷に怯えていたりして17歳という年齢よりも子供に感じられたフランツが、物語が進むにつれ、自分で物事の分別を考えられる大人になっていった。
そうして訪れてしまったバッドエンド。
オットーさんが理不尽に殺されたのがどうしても許せなかったんだよね、わかる。

「坊や」と揶揄されても曖昧に笑うだけだったフランツが「僕はフランツだ」と事あるごとに名乗るようになり、勇気のいる行動や悔しい出来事に対して頭の中で妄想するだけだった彼はラストで大胆な行動に出る。
もう少し大人になれば、その悔しさ辛さを心の中に仕舞って咀嚼することができたのかもしれないけど…その狡猾さを身に付けるまでには彼は大人ではなく。。(それを大人と言っていいのか…)

その真っ直ぐさは本当に素晴らしいと思うのだけれど、ハッピーエンドが見たかった。。
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