エッシャーの解説映画と言っていいでしょう。とてもよくできていて、飽きずに見ることができます。
ただし「飽きずに見られる」のは、上手に編集されているからです。「事実」のように思えてしまうのは危険です。
ナレーションはエッシャー本人の手紙や日記からの引用を編集したそうですが、「編集」されたものはあくまで別の作品。一つの解釈に過ぎないです。俳優さんの巧みな「演技」を加えて読み聞かせれば、本人の言説に聞こえるのは当然です。
でもこれは一種のトリックですね。冒頭に「わたしの映画を作れるのはわたしだけ」という言葉を引いているので、意識されたトリックなのは明らかです。
わたしは納得できなかったです。
エッシャーファンとしては、内容的に不満もありますが、解釈は人それぞれなのでそれは仕方のないこと。でもドキュメンタリーにトリックはいけませんね、たとえ題材がエッシャーでも。