爆裂BOX

ホワイトシャークの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ホワイトシャーク(2018年製作の映画)
3.1
エクストリーム動画を撮影するユーチューバーたちが立ち入り禁止の海域にある岩礁にセスナで向かうも、セスナが空中分解し海に墜落、皿に投げ出された海でホオジロサメに襲われるという内容の低予算サメ映画です。
冒頭数十分でセスナが墜落し、主人公達が海に投げ出され、ホオジロザメに襲われるまでがテンポよく進んでいきます。そこから前半はほぼ主人公一人でのサバイバル・スリラー物になっています。
登場人物のキャラ紹介もそこそこに主人公のリンジー以外の仲間は次々食われていきますが、その後の話の合間に回想として前日譚が挟まれる時系列が入り組んだ作りになっています。回想でその人となりが語られていきますが、そんな面白みのあるものではないので単純にテンポが悪くなっています。泥沼恋愛劇の要素も入ってるけど、アッサリ流されるし。
登場するのはホホジロザメ3匹ですが、並列して向かってくる所等は「ディープ・ブルー2」っぽいです。連携して主人公襲ってくるきたり執念深く主人公に攻撃してくる所は面白かったですが、トンデモサメ映画ではなくオーソドックスなリアルよりのサメ映画として作られているのにサメの行動にはリアリティなかったな。サメのCGは結構チープな物になっています。ゴア描写はほぼないですね。
チームのリーダーで活動的な姉ペイジと比べて気弱だった妹リンジーがサバイバルを通して強い女性に成長していく設定はベタながら良いけど、描き方が下手なのかいきなり怒ったり笑ったり情緒不安定な女に見えてちょっと怖い。後半でサメ誘き寄せる為にいきなり海に飛び込んだりする所も勇敢さよりも情緒不安定に感じます。
岩礁に向うまでの下りは「オープンウォーター 赤い珊瑚礁」彷彿しました。パイロットが「非常用品がある」と言ってましたが、本当に色々揃ってるのは笑った。
岩礁について姉ペイジと合流してからの展開はモ「ロスト・バケーション」風味でしたね。サメを誘き寄せて照明弾で焼き殺そうとする所等モロですね。ここで登場するボートのオッサン二人の退場の仕方は笑っちゃいました。ほぼエクストリーム自殺じゃん(笑)ボート持ってきたからもう用済みって感じが露骨でしたね。
活発な姉にコンプレックス抱いてたリンジーですが、ペイジもリンジーにコンプレックス抱いてた事を吐露する所は良かったですね。お互いコンプレックス抱えた姉妹という設定は「海底47m」と重なりますね。無茶な行動する妹に驚いてたペイジでしたけど、サメを小さいナイフで刺しまくったりこっちも中々アグレッシブ。
死んだメンバーの幻との会話で状況を打破する方法を見つける所もベタながらグッと来て良かったです。
サメの倒し方がそれぞれ違っていたのは良かったですね。一匹目の倒し方はちょっと想像してない方法で笑っちゃいました。あんな都合よくとれる大岩があるとは(笑)最後のサメの倒し方も酸素ボンベ使う時点で「ジョーズ」丸パクリの爆発オチかと思ってただけにあの方法は個人的にちょっと斜め上だった。あんなにきれいに貫通する?(笑)
最後は綺麗に落とそうとしてるけど蛇足に感じました。
既視感に満ちた展開ばかりでオリジナリティは感じられませんが、サメ映画マニアなら普通に見れるんじゃないでしょうか。オススメするほどではないですが。