木野エルゴ

クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代の木野エルゴのレビュー・感想・評価

3.0
世界大戦前のウィーンで盛り上がった「分離派」を代表するアーティスト、グスタフ・クリムトとエゴン・シーレを中心に同時代を生き抜いたアーティストたちの、心理や恐怖、エロスや死をテーマにした壮絶で荘厳な作品群を巡るドキュメンタリー。

この映画の公開時に開催してた「クリムト展」も見に行ってた。改めて図録をめくりながら本作を見るとさらに理解が深まるような気がした。

面白かったのが、女性の裸体が描かれたエゴン・シーレの作品を男性に見せたら、皆一様に絵を横にして飾ろうとしていたというエピソード。本当は縦にして飾るのが正解なのだが。つまりエゴン・シーレが今までの男性画家と違うのは、女性のセックスを受け身として扱うのではなく、主体として表現していたということだ。これは説明されないと気がつかない。

内容はとてもよく作られていたのに、なんか吹き替えがたどたどしいなぁと思ったら俳優の柄本佑さんだったんだ…役としてのパートは良かったんだけど、ナレーションパートがなんかちょっとイマイチで気になった。こういうのはやっぱり声の仕事に慣れた方にやってもらいたい。
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