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パラサイト 半地下の家族のSearooのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます


遅ればせながらやっと観賞。

自分を投影するならば、蛙の子は蛙。どれだけ足掻こうと、抜け出せない物はあるのが現実だと感じた。

観る前、あらすじだけ聞くと安部公房の戯曲『友達』と似ている感じだなと思っていたが、実際に観てみると真逆である。

『友達』では、家族の寄生は金の為でなく、隣人愛のためであり、自分たちの生き方をなぜか誇る家族に、得体の知れない恐怖を感じた。

一方、本作品では、家族の寄生は金の為。半地下の生活から這い上がり、豪勢な家で一晩酒を食う家族。そのひと時に彼らにとっての憧れの生活が凝縮されていた。

だがその“幸せ“も束の間、元家政婦と旦那の地下生活を目の当たりにし、自分たちを客観視する。“幸せ“を手にしたはずなのに、自分たちはやはり地下の人間。それは臭いでも誤魔化せられない。

拭いきれない臭いが付き纏う。臭いだけは断ち切れない。私にとっての臭いは血縁だ。母の血、父の血が濃く、変わろうと努力しても、努力しても、やはり彼らの血なんだと突き付けられ絶望する…。それでも生きていくしかないと思う。変われないならそれを受け入れて、歩いていく強さを私は身につけたいと思った。
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