半地下の住居で貧しい暮らしを送るキム一家。息子のギウは友人から英語の家庭教師のアルバイトを依頼され、大学生だと詐称して富豪のパク一家の娘ダヘの家庭教師になった。パク家の妻ヨンギョの信頼を得たギウは、妹ギジョンをパク家の息子ダソンの美術教師に紹介する。味を占めたキム一家は、父ギテク、母チュンスクをもパク家の仕事にありつけるよう企てる。
ストーリーとして分かりやすく、それでいて先を予想できない意外性もあって、ラストまであっという間だった。そして、緩急が上手についていて、観ている側に退屈させない。
キム一家は、貧しい暮らしの中、内職でしのいでおり、仕事にありつけない韓国の社会事情がしっかりこの作品の根底に描かれていました。だからといって、めげないキム一家の姿のおかげで、明るい気持ちでこの作品を観ることができました。
そして、パク家から仕事を得て、有頂天になるキム一家の姿は面白かった。他人の家でやりたい放題なんて私には無理だ。そこからキム家に困難が立ちふさがる展開も面白かった。これを予想できる人はいないだろうと思います。
本作のキーワードとして「匂い」が挙げられると思います。最初にパク家のダソンが気づくが、それが最後にあのように結びつくとは恐れ入りました。貧困に生きる人と裕福に生きる人の匂いは、やはり違うのだろうか。
とても面白かった。楽しさとともに韓国社会の貧富の格差から来るどうしようもない悲しさが伝わってくる作品でした。コメディ調で観やすく、それでいてしっかりと心に伝わってきました。
