あやの

パラサイト 半地下の家族のあやののネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

韓国の社会情勢の背景知識などが入ってないと、この映画の伝えたかったことが分かりにくい気がする。

一回見て内容に納得すると言うよりかは、見終わったあとに様々な考察などを考えたり見たりした上でやっと納得出来る!

至る所に散らばる伏線や、違和感、そして半地下と高級住宅の差が凄い。

特に家の作りは本当に話を面白くしてくれている。
自分たちがパラサイトしている家に、まさか更にパラサイトしている住人がいたとは!

最初は「そんなことで騙される?!」という感じで、どんどんキム一家がパク一家に寄生していくのが中々面白かったが、そこから一気に転げ落ちた。2時間越えの映画だが全くつまらないと思う瞬間がないほどだった。(強いて言うなら、パク夫婦のおせっせだが、ここは監督自身『早く終わらないかな』という感情を視聴者が抱くのを理解した上で撮っているらしい。凄い。)


金持ち特有の家族間の薄情さや、それに対比するようにキム一家の家族間の友情。パク一家のみで家族団欒を囲むシーンが1回も描かれていないのが面白い。キム一家はことある事にお祝いしていたのに…

最後のグンセが地下室から出てくるシーンはあまりにもグンセが異色過ぎて、晴れ晴れした天気と相まって狂気感が増していた。
温厚なキム父が最後に表情を歪ませるシーンはかなり良かった。積もり積もったものの爆発をすごく感じる。
そして、キムの「お金を稼ぐ計画」を考えたシーン。一瞬その映像が入ったから「お、叶ったのか!?でもどうやって!?どっちにしろ騒ぎ立てるのでもなくただ静かに抱きしめるのいいなぁ‼️」と思ったらまさかの妄想。
多分、父親の言葉的にも『計画は上手くいかない』と思いながら描いたのかな。前半の快進撃とは真逆の、水の泡のようなエンディングが逆にスッキリと物語の終わりを作ってくれたような気がする。

映像も綺麗だし、とても良かった‼️
あやの

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