貧困テーマの作品が得意ではないため、劇場公開からだいぶ経ってから鑑賞。2018年の「万引き家族」に続くように2019年にカンヌのパルムドールを獲っており、私の中では姉妹作のような位置づけ。本作はオスカーも獲っているので、国際的な認知度では「万引き家族」よりやや上でしょうか。
貧困にあえぐ一家の話ですが、適度にユーモアを塗していて観ていてあまり陰鬱な気分にはなりませんでした。「万引き家族」の方がやや重いかな。
富める者とそうでない者を隔てるのは能力や努力ではないと、残酷な現実を突きつけているようです。貧困一家が寄生する先、IT企業の社長（イ・ソンギュン、2023年12月逝去、R.I.P）一家、あまり幸せそうには見えませんでした。貧困一家の方が、日常生活は楽しげでしたね。現実はともかく、ポン・ジュノ監督はあえてバランスをとったのだと想像します。
しかし、ソン・ガンホをはじめ貧困一家を演じる俳優たちは達者です。本当に臭ってきそうです。一家の母親役のチャン・へジン、「愛の不時着」では北朝鮮の百貨店社長コ・ミョンウン役で、派手な御婦人でした。ほんと、役作りうまいです。そのコ・ミョンウンの弟役だったパク・ミョンフンが
原型をとどめない役作りで驚かせてくれました。
パク・ソジュンも短いが印象に残る演技でした。
本作、映画考察好きをくすぐるようで、考察動画がたくさんYouTubeに上がっています。いろいろ見ましたが、韓国人YouTuberによる考察が頭抜けています。韓国語ネイティブだからこそわかるセリフの微妙なニュアンス解説、極めて興味深いです。解説動画をお探しなら、ぜひ韓国人Youtuber解説動画をご覧ください。
（動画配信で何度か鑑賞）
