このレビューはネタバレを含みます
パルムドール受賞作。
万引き家族に続いて、パラサイト家族。
前半は、あれよあれよとお金持ちを騙し、豪邸に居座ることに成功。
だが、後半、豪邸の地下にはある秘密が隠されていた…
そして、どんなに隠しても、体に染みついた”下級社会の臭い”だけは隠せなかった。
最近、千葉で豪雨災害があったばかりなので、身につまされるシーンも。
全体的には、上質なコメディ仕立て。予測不可能で面白い。
パルムドールを受賞しているが、普通にエンタメとしても素晴らしい。
それでいて、最後はドーンと重くなる。
そこの展開が、パルムドール受賞の決定要因だろう。
半地下から、地下生活になるというのは、何とも皮肉。
貧しさには底が見えない隠喩?
この映画は、韓国社会の実情が見える。
北朝鮮のミサイル、学歴、貧富の差、詐欺、誤魔化しなどなど。
こんなにも盛りだくさんだけど、ちゃんと一本の筋が通っている。
人生における”計画”とは、何だろうとも考えさせられる。
悔しいが、韓国映画の質の高さに感服。
ただし、後半の後半で、モノローグ中心の駆け足展開になったのは尺が足りなかったせいか、そこが少し残念。
それと、
家族全員が、あれだけのスキルを持ち合わせていながら、なんで半地下生活だったのか?
豪雨にも耐えられるテントってどんなテントなんだろう…?
避難所にいる人たちが、パーティ服をすぐに用意できるだろうか?
という疑問は残った。
個人的には、ソン・ガンホ主演の映画では、「タクシー運転手」の方が、もっと緻密な脚本で、人の愛情や友情も感じられるから好きかな。