とうがらし

パラサイト 半地下の家族のとうがらしのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

パルムドール受賞作。
万引き家族に続いて、パラサイト家族。
前半は、あれよあれよとお金持ちを騙し、豪邸に居座ることに成功。
だが、後半、豪邸の地下にはある秘密が隠されていた…
そして、どんなに隠しても、体に染みついた”下級社会の臭い”だけは隠せなかった。

最近、千葉で豪雨災害があったばかりなので、身につまされるシーンも。
全体的には、上質なコメディ仕立て。予測不可能で面白い。
パルムドールを受賞しているが、普通にエンタメとしても素晴らしい。
それでいて、最後はドーンと重くなる。
そこの展開が、パルムドール受賞の決定要因だろう。
半地下から、地下生活になるというのは、何とも皮肉。
貧しさには底が見えない隠喩?

この映画は、韓国社会の実情が見える。
北朝鮮のミサイル、学歴、貧富の差、詐欺、誤魔化しなどなど。
こんなにも盛りだくさんだけど、ちゃんと一本の筋が通っている。
人生における”計画”とは、何だろうとも考えさせられる。
悔しいが、韓国映画の質の高さに感服。
ただし、後半の後半で、モノローグ中心の駆け足展開になったのは尺が足りなかったせいか、そこが少し残念。

それと、
家族全員が、あれだけのスキルを持ち合わせていながら、なんで半地下生活だったのか?
豪雨にも耐えられるテントってどんなテントなんだろう…?
避難所にいる人たちが、パーティ服をすぐに用意できるだろうか?
という疑問は残った。

個人的には、ソン・ガンホ主演の映画では、「タクシー運転手」の方が、もっと緻密な脚本で、人の愛情や友情も感じられるから好きかな。
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