このレビューはネタバレを含みます
2020年2本目。エンターテイメントとして質が高い。あほみたいな感想だけど「編集うまいなー!!」と思ってしまった。無駄がない…。物語の構造にアイデアがあって良い。映像/劇中メディアの使い方も上手い。もう一度観たいです。
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以下ネタバレ。
好きなシーンは、
クライマックス、庭で社長を刺すシーンだった。時間を使って描写しているのも良い。「一線を越えないところがいい」と語っていた社長のセリフも効いてくる。
社長の目がほんとうに冷たく、残酷な軽蔑に満ちていた。血塗れの身体をどかして車のキーを取る。鼻をつまむ。それを目撃し、お父さんはついに一線を越えてしまったのだ。
絶対にわかり合えない二者の、経済的格差と精神的格差が見事に描かれていた。
あと、息子が体育館で石を抱えて寝ているシーンは、何故だか泣けてしまった。台詞もいい。あの「石」と「地下の臭い」は、逃れられない宿命の現れなのだろうか。
洪水の中トイレを抑えながらタバコ吸うシーンはカッコよすぎた。映画史に残る。