ゆ

パラサイト 半地下の家族のゆのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ものすごかった… めちゃくちゃに面白かった… 死よりもつらい地獄を見た、韓国映画って容赦ない…!でも観たあとジワジワしんどくなるというより思いっきり脳揺さぶられてもはや気持ちよかった ずっとハラハラドキドキしてた… サスペンス性高くてエンターテイメント映画としてもものすごく面白かったね!!
豪邸/半地下とその間の行き来(階段がずっと続くのが印象的)くらいの狭い空間を舞台にしてるのに、その中での上昇・下降がドラマを生んでてすごい!なんだか演劇観てるみたいだったな… 舞台装置である「家」がとにかく雄弁だったので… 光の差すリビングと真っ暗で汚い地下室の対比が良い…

印象に残ったのは、学歴がもの言うヤバさと、あとは父と息子の関係、家族の中での男の役割
大学に入らないと就職できないけど入っても「警備員の募集に500人が殺到」というくらいの就職難… だから大学入ったら入ったで就職を突破するために今度は留学に行かなきゃいけないという… 軍隊に入る話も少し出てきたし、男の子は思春期から青年期にかけてほぼ家にいないんだな…と印象的だったな てかギウがもし大学入れても、授業料払ったり留学行ったりできないでしょとも思った…

この映画、父と息子の関係がとても印象的に描かれてて、やっぱり同じアジア人だから分かるなこの感じ…と思った 金持ちに取り入ってうまく就職することに成功したけど、大きな問題が起きてしまい、その時ギウは「責任を取ります」と言う しかし息子であるギウが責任を取るべくパンドラの匣を開けてしまった時、家族のために(意図してたというより反射的にだけど)ある事件を起こして責任を取ることになったのは父という… ギウが責任を取ろうとした時にまるで地獄の釜が開いたみたいに牙を剥くのも一家の長たる存在で、それに反撃されちゃうってのも良いよな〜…!!
家族のありようを決定するのがいつも父-息子であることがすごく印象に残った あの映画は親世代から息子世代へと、家族の大黒柱たる「父」のバトンを受け渡す話だったのかもな〜と思う!金持ちに雇ってもらおうとしたのもギウだし… 若者たちが大人になり社会の問題を自分のこととして受け止めなきゃいけない時期に来ているとも捉えられる… いやしんどい!

ギウの計画が劇中劇みたいになってるのも良かった!金持ちの家に入り込む計画もほぼ芝居だし、父との台詞の読み合わせとかあったり(レザボア・ドッグスみたいだった)、その家の娘と結婚できるかもと言ったり、そして最後のあのシーン、あそこは映像として具体的に提示されるのがめちゃめちゃ良い… そのあとのカメラワーク、神だったね…

カメラワークとにかく良かったね!かっこいい!冒頭の目線が低い違和感のある画面からして良いし、豪雨の日に家へと逃げ帰る時の長い階段も良い、最後も大好き 最高
ゆ